家の売却を考える時に「この家はいくらで売れるだろう」と疑問を持つ人も多いでしょう。
その査定額に応じて売却を検討する人も多いため、家の価格を把握することは売却のはじめの一歩と言えます。
この記事では、家の売却を考えている方に向けて、家査定シュミレーションを使うメリットやデメリット、上手な活用方法を解説します。
家査定シミュレーションを使うメリット
家査定シュミレーションには、以下の3つのメリットがあります。
- メリット1: 価値の予測
- メリット2: 事前準備
- メリット3: コストと時間の節約
メリット1:価値の予測
家査定シミュレーションを使う最大のメリットは、その場ですぐに市場価格を予測できる点です。
家査定シミュレーションは過去の取引価格データに基づいて査定しているため、地域などを細かく入力すればするほど実際の価格に近いシュミレーションができます。
項目には、以下のような項目があります。
- 接面している道路
- キッチン
- 周辺環境
- 土地の形
- 窓の方角
- 延べ床面積
- 雨漏りや床の傾きの有無
家査定の情報収集では、国土交通省が提供している「不動産情報ライブラリ」で市場価格を把握する方法もあります。
しかし、あくまで売却価格は家の状況や周辺状況は個々で異なるため、自己評価では限界があります。
家査定シミュレーションを使えば、過去のデータだけでなく、家の現状を考慮した市場価格を算出できます。
客観的な情報のみで市場価値が査定されるため、価値の予測ツールとして家査定シミュレーションは効果的と言えます。
シュミレーションの中には、価格だけでなく売れる見込み(人気度)や売却のヒントも得られるため、高く売却するための情報も得られる可能性もあります。
メリット2:事前準備
家査定シミュレーションは「訪問査定」の準備としても役立ちます。
訪問査定とは不動産業者が家を訪問して査定する査定方法で、正確な市場価格が分かる一方、不動産業者探しや日程調整などを行う手間があります。
訪問査定前にシュミレーションを使って家の市場価格を知っておくことで、不動産業者とのやり取りがスムーズになるのです。
不動産業者によっては、相場から離れた高額な値段を提示する場合もあります。
事前に市場価格や相場をある程度把握しておけば、このようなトラブルに巻き込まれる心配もなくなります。
不動産業者に訪問査定を依頼する前、または家の売却を考え始めた段階で、家査定シミュレーションの使用を検討しましょう。
メリット3:コストと時間の節約
家査定シミュレーションは登録不要で無料で使用できます。
家の情報を入力後、結果が出るまでの時間は5分以下です。
何度でも、いつでも、無料で使えるため、費用と時間の大幅な節約につながります。
特に、売却したい家が遠方にある方は、家査定シミュレーションをうまく活用しましょう。
訪問査定はより正確な価格が把握できる反面で、時間や労力の多い作業です。
具体的には、不動産業者の店舗へ足を運んだり、売却したい家を片付けたり、不動産業者を迎える準備も必要です。
早い段階から定期的に家査定シミュレーションを利用することで、価値が上がる時期なども把握でき、タイミングを見ながらより高額で売却できるようになります。
家査定シミュレーションを使うデメリット
デメリット1:信頼性の問題
家査定シミュレーションのデメリットは、算出された市場価格が正確ではない点です。
家の査定には地域や築年数だけではなく、室内や外装、庭などの情報が関わります。
家査定シミュレーションではその情報を加えることはできないため、訪問査定ほどの精度はありません。
過去のデータに基づいた市場価格を提示する家査定シミュレーションは、現在の状況を反映していないため、実際の価格とはかけ離れている可能性もあるのです。
仮に売却したい家と似た条件の家があっても、データが古すぎると現在の価格や需要と全く異なります。
現代のニーズに合わない家は買い手がつきにくいため、家査定シミュレーションで出た価格より低くなる可能性が高いです。
シュミレーションで出た金額は、あくまで参考程度に考えてください。
デメリット2:誤解の可能性
家査定シミュレーションは自分で入力するため「入力ミスによる価格の誤差」が生まれます。
例えば、築年数や近隣の状況、家の面積を曖昧に登録したり、違えたりしてしまうと、予測価格が大きく異なります。
更に、床や外壁の劣化具合も自己判断が求められるため、不動産業者からの評価とまったく違うこともあり得ます。
この価格の誤解は、売却全体の計画にも響きかねません。
売却見込額が大きく異なれば、その後の予算でズレが生じる可能性も高くなります。
家査定シミュレーションの質問がシンプルであるからこそ、あまり正確な価格ではないことを理解しておきましょう。
正確な市場価格を知りたい場合は、不動産業者などの専門家に査定を依頼してください。
デメリット3:正確なデータが必要
気軽にできる家査定シミュレーションですが、精度の高い予測価格を知りたい場合は正確なデータを用意する必要があります。
特に注意が必要なのは、家を建てた本人以外が家査定シミュレーションを使用する場合です。
家に関する情報が不足していることが多く、シュミレーションができないことがあります。
より正確な家査定シミュレーションをするためには、家に関する情報が記載された登記簿謄本や全部事項証明書などの書類を手元に用意する方法もあります。
書類は法務局で取得することはできますが、多少の手間と時間が発生します。
家査定シミュレーションで売却価格を予測することは簡単ですが、その準備として家に関する正確なデータを集めるが必要があることを覚えておきましょう。
家査定シミュレーションの活用方法
実際の価格設定に活用する方法
家査定のシミュレーション結果は、売却時の価格設定で参考になります。
不動産業者に実際に家を見てもらう「訪問査定」では、家査定シミュレーションで予測された価格を伝えましょう。不動産業者が提示する価格も変わってきます。
ひとつの結果ではなく複数のシュミレーションを使えば、価格の幅まで予測できます。アピールポイントを入力できる家査定シミュレーションもあり、「日当たりが良い」などを入力すると価格が上がることもあります。
さらに詳しく把握したい方は、家査定シミュレーションの結果と合わせて、国土交通省提供の「不動産情報ライブラリ」の情報も参考にしましょう。
その地域で開発が進んでいる場合は良い交渉材料になるので、家査定シュミレーションの結果と合わせて交渉する材料を集めましょう。
リフォームや改修に活用する方法
家査定シミュレーションの入力項目では、売却前にリフォーム・改修すべき項目も把握できます。
例えば以下のような情報です。
- 床の傾き
- 雨漏り
売却したい家がこうした問題を抱えている場合は、リフォームで価値を上げることができます。
ただし、不要なリフォームは家の価値を下げます。
「家を安く買って自分でリフォームをしたい」という買い手もいるためです。家のリフォームや改修は、買い手のニーズに合っているか?を考える必要があるのです。
家査定シミュレーションで提示された予測価格を参考に、リフォーム代を捻出できるかを検討しましょう。
売却戦略の準備に活用する方法
家査定シミュレーションの結果からは「適切な売却時期」と「価格の相場」を読み取れます。
家査定シミュレーションによっては数年後の価格予想も分かるため、数年後に価格が上がりそうな場合は様子を見る選択肢もあります。築年数が増えて維持費がかかったとしても、販売価格が上がる予測があるならば検討する価値があるでしょう。
さらに、売却で避けては通れないのが「価格交渉」が必要です。
不動産業者と交渉するためには、相場の把握や売りたい家の市場価格、アピールポイントを理解しておく必要があります。家の情報を客観的に理解することで、交渉が有利に進みます。
もし査定結果が低買った時は、値下げ交渉にも耐えられる価格を提示しましょう。複数の家査定シミュレーションツールを使用し、最高額と最低額を認識することがポイントです。
シュミレーション結果を元に、売却するための戦略を立てていきましょう。
まとめ
家査定シミュレーションは、家を売却しようと考えたときの最初のステップです。
シュミレーションを活用すれば、市場価格の予測、売却前の準備、コストと時間の節約ができます。
簡単に査定価格を把握できる反面で信頼性や誤解の可能性もあることを踏まえ、家査定シミュレーションをうまく利用しましょう。
適切な売却タイミングの見極めやリフォームの必要性など、より売却価格を高めるヒントを得ることができます。