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2024.02.29

空き家の解体費用の目安は?補助金制度やコストを抑えるコツも紹介

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日本国内において、空き家問題は深刻な課題となっています。所有者のいないまま存在する空き家は、地域社会にとってさまざまな悪影響をもたらすことから、解体が求められることもあります。

しかし、その際に気になるのが「解体費用」です。解体費用が分からないせいでほとんど使っていない空き家を放置してしまっている方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、空き家解体にかかる費用の内訳と相場について詳しく解説します。また、補助金制度やそれを活用するための条件、コストを抑えるためのコツも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

空き家解体費用の内訳と相場

空き家の解体費用は、建物の種類や広さ、状態、エリアなどさまざまな要素が組み合わさって決定しますが、おおよその目安としては、

  • 木造:4〜5万円/坪
  • 鉄骨造:6〜7万円/坪
  • RC(鉄筋コンクリート)造:7〜8万円/坪

と考えておくと良いでしょう。例えば、40坪の木造一戸建ての場合、160〜200万円程度かかることになります。

ここからは、空き家の解体費用の内訳を見ていきましょう。

労務費用

空き家の解体費用には、まず、解体作業に従事する人員のコストが含まれます。作業員の技術レベルや経験によって賃金が異なるため、解体を検討する場合には必ず複数の業者に相見積もりを取り、比較検討することが重要です。また、解体に使用する重機や工具の使用料もこの部分に含まれます。

これらの要素に加えて、その他の変動要因として、解体現場のアクセスや建物の構造などが挙げられます。

廃棄物処理・運搬費用

解体に伴う廃棄物の処理と運搬費用は、コスト全体の中でも大きな割合を占める要素です。

例えば、アスベストやその他有害物質が含まれる場合や大量のコンクリートがある場合、専門の業者が必要となり、その分費用も高くなる傾向にあります。必ず解体前に建物の素材とアスベストの有無を確認し、処理方法や特殊な処遇がないかを把握しておきましょう。

また、遠隔地への運搬は燃料費や運搬車の利用料がかさんでしまいます。できる限り近い処分場やリサイクル施設を利用するのが、コストを抑える方法の1つとなります。

さらに、処理方法もコストに影響するため、どのように処理するのか、業者に解体を依頼する場合は必ず確認しておきましょう。

足場や養生などの周辺費用

空き家の解体作業においては、足場の設置や養生作業などの周辺費用も発生します。

例えば、足場の設置は、解体現場での作業員の安全性を確保し、効率的かつ効果的な解体作業を可能にするために不可欠です。足場の設置費用は、建物の高さと形状作業期間の長さによって異なります。

また、養生作業は、解体作業が周辺の建物や環境に与える悪影響を最小限に抑えるために行われます。費用は周辺の状況や交通量によって異なるため、事前に必ず確認しておきましょう。

空き家解体工事の補助金制度

空き家の解体工事には、以下の補助金が利用できるケースがあります。

  • 木造住宅解体工事費補助事業
  • 老朽危険家屋解体工事補助金
  • 危険廃屋解体撤去補助金

ただし、空き家の解体工事に利用できる補助金は地域によって異なります。申請前に、各自治体のホームページをチェックするようにしてください。

ここからは、各補助金制度について詳しく解説していきます。

木造住宅解体工事費補助事業

木造住宅解体工事費補助事業は、耐震診断で倒壊の危険性が高いと判断された木造住宅に対し、解体費用の一部を負担をしてくれる制度です。制度を利用するためには、実際に耐震診断を受け、支給対象になるか確認する必要があります。

申請は各自治体のホームページや役所の窓口でできますが、場合によっては解体の前年度までに申請しなければいけないこともあります。スケジュールも含め、事前に必ず自治体のホームページをチェックしましょう。

老朽危険家屋解体工事補助金

老朽危険家屋解体工事補助金は、老朽化している建物に対して解体費用の1/5〜1/2を負担してくれる制度です。

ただし、この制度を活用するためには、耐震診断を受け、自治体の認定を受けなければいけません。申請条件を満たしているかどうかを確認した上で、各自治体のホームページまたは窓口で申請しましょう。

危険廃屋解体撤去補助金

危険廃屋解体撤去補助金は、空き家のまま放置すると危険と判断された建物に対して解体費用の一部(30%程度)を負担をしてくれる制度です。周辺住民の安全や地域全体の住みやすさ向上を目的としています。

危険廃屋解体撤去補助金に限らず、空き家の解体工事で活用できる補助金には、各自治体ごとに予算が設けられています。上限に達した場合は利用できないこともあるため、利用を検討している際には早めに申請するようにしましょう。

空き家解体工事の補助金制度の条件

どんな空き家が補助対象となるのかは、補助金の種類によって異なります。ここでは、ここでは一般的な利用条件を解説していきます。

腐朽破損レベルが基準を超えている

解体補助金の多くは、建物の腐朽や構造の破損が一定の基準を超えている場合に対象となります。これは、安全性や耐久性に問題があり、修復が難しいほどの建物が対象です。

基準の具体的な評価は地域や補助金制度により異なりますが、ほとんどの自治体ではホームページで「住宅の不良度判定」を公開しています。この判断基準は国土交通省のガイドライン(構造・防火性能・インフラ・衛生など複数の項目)に沿って作成されているものです。事前に確認しておくと良いでしょう。

前年の所得が一定以下である

一部の補助金制度では、建物所有者や申請者の前年の所得が一定の基準以下であることが条件とされます。これにより、経済的に困難な状況にある個人や家族が支援を受けやすくなります。

そもそも、補助金制度は金銭的余裕がない人のために用意されているものです。金銭的余裕がある人は支給対象にならない場合があるため、注意しましょう。

所得基準は補助金の種類によっても異なりますが、一般的には前年の所得が1,000万円以下であれば補助金を申請できることが多いです。

税金の支払いを滞納していない

所有者が所在地の地方税や固定資産税などの税金を滞納していないことも、補助金の支給条件の1つです。

空き家の解体工事に対する補助金だけでなく、ほとんどの補助金は国民から徴収した税金で賄われています。そのため、滞納がある人は補助金を受けることができません。

現在滞納している税金がある場合は、速やかに支払いを行いましょう。税務状況をクリアにすることで、補助金を受けられるようになります

現在の耐震基準に満たない

一部の補助金制度は、建物が現行の耐震基準を満たしていない場合に対象となることがあります。特に、「旧耐震基準建物」に該当する、1981年より前に建設された建物は補助金制度の対象になることが多いです。

そもそも現在の耐震基準を満たしていない建物は地震などの災害によって倒壊するおそれもあるため、解体工事もしくは補強工事を検討するようにしましょう。

抵当権設定がされていない

補助金を活用するためには、解体する建物に抵当権が付いていないかも確認しましょう。

抵当権とは、債務の担保として不動産に設定される権利です。住宅ローンの支払いが滞った際、債権者が抵当権を発動することによって物件を差し押さえられたり競売にかけられたりします。

物件に抵当権が付いているかどうかは、「全部事項証明書(登記簿)」を見れば分かります。該当の法務省に問い合わせてみましょう。

空き家の解体費用を抑えるコツ

空き家を解体する際に少しでも費用を抑えたい場合は、以下のポイントを意識しましょう。

  • 解体しやすい季節を選ぶ
  • 業者と現場の距離
  • 解体業者の閑散期を狙う

それぞれ詳しく確認していきます。

解体しやすい季節を選ぶ

解体作業の季節は、作業のしやすさや効率に影響を与える要因です。

湿度が高くなると木材が重くなって作業しにくいため、それだけ時間がかかり、コストもかさみます。また、雨の多い季節は作業が中断される可能性が高まり、それに伴う工程の遅延や追加コストが発生する可能性があります。

そのため、解体費用を抑えたいという場合は、乾燥している時期が良いといわれています。

業者と現場の距離

解体業者と現場の距離は、移動にかかる時間や燃料費などに直結します。距離が長くなればなるほど解体費用も高くなる傾向にあるため、注意しましょう。

一方で、近い距離にある業者を選ぶことで、輸送にかかるコストを削減できます。また、距離が近い場合、業者が迅速に対応しやすくなり、作業の効率が向上します。

さらに費用を抑えたいという場合は、空き家の解体で発生した廃棄物や残置物を自ら処理するのもおすすめ。ただし、処分の方法やルールなどは自治体によって細かく定められている上、含まれている物質によっては危険を伴う場合もあるため事前に必ず確認しておきましょう。

解体業者の閑散期を狙う

建築業界は、一般的に9月末12〜3月の時期、いわゆる転勤の時期、新生活準備の時期、決算期が繁忙期といわれています。この時期に解体工事を依頼すると費用がかさむ可能性があるため、避けるのが良いでしょう。

ただし、上でも解説したように、季節によって作業のしやすさが異なり、それに伴って費用も変わってきます。解体時期を決める際には、その点も意識しましょう。

まとめ

本記事では、空き家解体にかかる費用の内訳と相場、解体工事に利用できる補助金制度やそれを活用するための条件、コストを抑えるためのコツなどを解説しました。

所有者のいないまま存在する空き家は、地域社会にとってさまざまな悪影響をもたらすことから、解体が求められることもあります。相続などで空き家を保有しているという場合には、早めに解体工事を検討しましょう。

空き家の解体工事には補助金を活用できる場合もあるため、自治体のホームページをチェックすることをおすすめします。

この記事を書いた人

代表取締役浜谷 卓

一つ一つのお取引を大切にし、必ずご満足のいくサービスをご提案致します。

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