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離婚したら共有名義の家と住宅ローンはどうなる?
離婚を考えたとき、多くの方が最も不安に感じるのが「住宅ローンが残っている家をどうするか」です。
特に共有名義の場合は、家の権利もローンの責任も夫婦で結びついているため、離婚後に大きなトラブルになりやすいのが現実です。
結論から言うと、離婚しても住宅ローンや名義は自動で整理されません。
離婚届を出しただけでは、金融機関との契約も、不動産の共有状態も残り続けます。
そのため、離婚前後で「家」と「ローン」を整理する必要があります。
離婚しても住宅ローン契約は自動で解消されない
住宅ローンは夫婦間の契約ではなく、金融機関との契約です。
たとえ夫婦が離婚しても、銀行にとっては「契約者が変わった」わけではありません。
つまり、
- 離婚しても返済義務は継続
- 支払いが滞れば信用情報に傷がつく
- 連帯保証・連帯債務なら請求が双方に来る
という状態が続きます。
離婚後によくあるトラブルが、
「元夫が払う約束だったのに払わなくなった」
「自分に督促が来た」
というケースです。
離婚をするなら、「誰が払うか」ではなく、ローン契約をどう整理するかが重要です。
「家の名義」と「ローンの名義」は別物として考える
意外と多い勘違いが、
| 家の名義=ローンを払っている人 |
という認識です。
しかし実際は違います。
たとえば以下のようなケースがあります。
| 状況 | 家の名義 | ローン名義 |
|---|---|---|
| 夫が借りたが家は共有 | 夫50% 妻50% | 夫単独 |
| ペアローンで購入 | 夫50% 妻50% | 夫・妻それぞれが別々の住宅ローン契約(それぞれが債務者) |
| 妻が連帯保証人 | 夫単独 | 妻が保証 |
このように「不動産の登記」と「ローン契約」は別なので、離婚時には両方確認する必要があります。
まずは
- 登記簿謄本(持分割合)
- ローン契約書(債務者・保証人)
を確認しましょう。
共有名義の家は離婚時にどう分ける?財産分与の基本
共有名義の家は、婚姻中に築いた財産として財産分与の対象になります。
ただし不動産は現金のように簡単に割れないため、分け方には注意が必要です。
財産分与では次の視点が重要です。
- 家にどれくらいの価値があるか
- ローンがどれだけ残っているか
- 持分割合はどうなっているか
この3つを整理しないと正しい判断ができません。
持分割合に応じて分けるのが原則
共有名義の場合、まずの目安になるのは登記上の「持分割合」です。
例えば夫婦で半分ずつなら、「売却益も50%ずつ」「権利も50%ずつ」と考えるのが基本です。
実際の資金負担などによっては、例外的に別の割合が問題になるケースもあります。
「夫が払っていたから夫のもの」
「妻が住むから妻のもの」
と感情で決めてしまうケースもありますが、法律上は持分が基準になります。
まず登記を確認することが第一歩です。
ローン残債がある場合は資産と負債をセットで整理する
離婚時の最大の落とし穴は、「家が資産だと思っていたら負債だった」というケースです。
例えば、
- 家の査定:3,000万円
- ローン残債:3,500万円
この場合は「オーバーローン※」であり、実質はマイナス財産です。
なお、実務ではオーバーローンの家についても、他の預貯金や負債と合わせて「全体としてのプラス・マイナス」を見て財産分与額を決める運用が一般的になりつつあります。
財産分与は家の価値だけでなく、住宅ローン残債も含めて整理する必要があります。
※オーバーローン:住宅ローンの残債が物件の市場価値を上回っている状態
頭金を多く出した場合でも単純に有利とは限らない
「自分が頭金を多く払ったから多くもらえるはず」と思う方も多いですが、必ずしもそうとは限りません。
婚姻中に購入した家は「夫婦が協力して築いた財産」とみなされることが多いためです。
ただし、
- 婚前の預貯金から出した頭金
- 親からの贈与・相続で得た資金
といったものは「特有財産」として、原則は財産分与の対象から外れると考えられています。
住宅ローンが残っていても家は売却できるのか?
離婚時の解決策として最も多いのが「売却」です。
なぜなら売却すれば、
- 共有状態を解消できる
- 財産分与が明確になる
- 将来のトラブルを防げる
からです。
ただしローンが残っている場合、売却には条件があります。
売却には「残債の完済」が基本条件
住宅ローンが残っている家には「抵当権」がついています。
抵当権がある状態では自由に売却できません。
通常売却するには、
- 家を売る
- 売却代金でローン完済
- 抵当権を抹消
- 残りを財産分与
という流れになります。
オーバーローンの場合は任意売却の検討が必要
もし売却価格よりローン残債が多い場合、そのままでは通常売却はできません。
不足分を自己資金で補って完済できないときは、「任意売却」を検討することになります。
任意売却とは、金融機関の同意を得て残債が残っても売却する方法です。
競売より高く売れる可能性があり、離婚時には現実的な選択肢になります。
売却益が出た場合の分配ルール
売却後にローン完済して利益が残る場合、その分配は原則として登記上の持分割合に従って行うのが基本です。ただし他の財産や負債とのバランスを見て、財産分与の合意で調整することもあります。
例:
- 売却益:400万円
- 持分:夫50% 妻50%
→ 200万円ずつ分配
ただし財産分与の合意内容で調整も可能なので、必ず書面に残しましょう。
離婚後も住み続ける?名義変更できる?連帯債務の落とし穴を徹底解説
離婚後も片方が住み続ける場合の注意点
離婚時、特に子どもがいる家庭では「妻と子どもがそのまま家に住み続けたい」というケースが多いです。しかし結論から言えば、住み続ける選択はトラブルが起きやすいパターンでもあります。
なぜなら、家に住む人とローンを払う人が一致しないことが多く、
共有名義のままでは権利関係も複雑なまま残るからです。
名義が共有のままだと将来トラブルになりやすい
共有名義とは「夫婦が共同で所有している状態」です。
この状態では、たとえ妻が住んでいても…
- 家を売る
- 賃貸に出す
- リフォームする
といった重要な判断には、原則として双方の同意が必要です。
さらに時間が経つと、
- 元配偶者が再婚する
- 相続が発生する
- 共有者が増える
など状況が複雑化し、実質的に売却が非常に難しくなることもあります。
住み続けるなら「単独名義化」が理想です。
ローンを払う約束が守られないリスク
離婚時によくある取り決めが、「夫がローンを払い続け、妻子は住み続ける」という形です。
しかし、ここに大きな落とし穴があります。
離婚後に
- 支払いが止まる
- 転職で収入が減る
- 新しい家庭ができる
といった理由でローンが滞れば、金融機関から催促されます。
特に連帯債務の場合は、「元配偶者が払わなくても自分に請求が来る」というリスクがあります。
口約束ではなく、必ず公正証書などで明文化しましょう。
ただし、公正証書は夫婦間の約束を証明するものであり、金融機関に対してローンの責任を免れる効力はない点には注意が必要です。
子どもがいる場合に多い「住み続けたい」ケースの現実
子どもの学校や生活環境を考えると「住み続けたい」という希望は当然です。
しかし現実には、
- 名義整理ができない
- ローン負担が重い
- 共有のまま放置される
ことで、数年後に差し押さえ・競売になるケースもあります。
住み続ける場合でも、ローン契約と名義を整理できるかを条件にして判断する必要があります。
住宅ローンの名義変更はできる?できない?金融機関の判断
離婚時によくある質問がこれです。
「離婚したのでローン名義から外れたい」
「妻だけのローンに変えたい」
結論として、住宅ローンは原則として名義変更できません。
住宅ローン名義変更は原則できない理由
住宅ローンは「この人なら返済できる」という審査に基づき貸し出されています。
つまり金融機関から見ると、
| 契約者が変わる=新規契約と同じ |
です。
そのため離婚を理由にしても名義だけ外すことは基本的には不可となります。
特にペアローンや連帯債務は簡単に解消できません。
単独ローンにするには借り換えが必要
名義を整理する現実的な方法は「借り換え」です。
例えば、
- 夫婦共同ローン → 夫単独ローンにまとめる
- 妻が住むなら → 妻単独ローンにする
これには借り換えが必要になります。
ただし借り換えには
- 安定収入
- 勤続年数
- 信用情報
などの審査があり、通らないケースも少なくありません。
審査に通らない場合の代替策
借り換えができない場合、選択肢は限られます。
代表的には以下です。
| 方法 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 売却して清算 | 最も確実 | 同意が必要 |
| 共有のまま住む | 生活維持 | リスク大 |
| 任意売却 | 残債があっても売れる | 金融機関同意必須 |
無理に住み続けるより、売却で整理する方が安全なケースも多いです。
連帯債務・連帯保証がある場合の危険性
共有名義の住宅ローンでは、
- 連帯債務
- 連帯保証
がセットになっていることが多く、離婚後も責任が残ります。
ここを理解していないと、離婚後の人生に大きな影響を与えることもあります。
元配偶者が払わないと請求は自分に来る
連帯債務とは「夫婦どちらも全額返済義務を負う契約」です。
つまり金融機関は、
- 夫が払わない → 妻に全額請求
- 妻が払わない → 夫に全額請求
が可能です。
離婚しても関係なく、債務者として責任が残るため危険です。
信用情報に傷がつく可能性
滞納すると信用情報に記録されます。
すると将来、
- 新たな住宅ローンが組めない
- クレジットカードが作れない
- 車のローンも通らない
といった生活への影響が出ます。
離婚後も「信用」は共有責任になる点が重要です。
最悪の場合は差し押さえリスクもある
滞納が続けば、最終的には競売(強制的な売却)となり、自宅を失うことになります。
競売は市場価格より安く売られるため、
- ローンが残る
- 財産分与どころではない
という状況にもなりかねません。
だからこそ早期に
- 売却
- 借り換え
- 任意売却
を検討すべきです。
売却・住み続ける・借り換え…最適な選択肢の判断軸
離婚時の住宅ローン問題で重要なのは、「結局、何が正解なのか?」を状況別に判断することです。
ここでは不動産の専門家として、現実的な判断軸を整理します。
住み続ける選択が成立するケース
住み続ける場合は条件付きで成立します。
例えば、
- 子どもの生活環境を守りたい
- 単独名義化できる見込みがある
- ローン返済の裏付けがある
場合です。
ただし共有名義のまま住むのは危険です。住むなら「借り換え+単独名義化」をセットで考える必要があります。
借り換えで整理できるケース
借り換えは最も理想的な整理方法です。
- 夫婦共同ローン → 夫単独ローン
- ペアローン → 片方に一本化
することで、離婚後の責任を完全に切り分けられます。
ただし金融機関審査があるため、
- 安定した収入
- 勤続年数
- 信用情報
が条件になります。
売却が向いているケース
最もトラブルが少ないのは「売却して清算する」方法です。
売却が向くのは、
- 夫婦どちらも住む予定がない
- 共有名義を早く解消したい
- ローン返済を続ける余裕がない
- 将来の関係を完全に断ちたい
というケースです。
財産分与が明確になり、離婚後の紛争を防ぎやすいのが最大のメリットです。
離婚時に必要な手続きの流れ
①ローン形態(単独・ペアローン・連帯債務)の確認
まず確認すべきはローン契約です。
- 単独ローン
- ペアローン
- 連帯債務
- 連帯保証
どれかで責任が大きく変わります。
②共有持分と登記内容を確認する
次に登記簿謄本で持分割合を確認します。
例:
- 夫2/3、妻1/3
- 夫婦1/2ずつ
などです。
財産分与・売却益分配の基準になるため必須です。
③査定で売却価格と残債を把握する
売却か住むかを判断するために、「家がいくらで売れるか」を知ることが最初の現実です。
不動産会社に査定依頼し、
- 市場価格
- ローン残債
を比較しましょう。
④金融機関と事前相談する
名義変更や任意売却、借り換えには金融機関の同意が必要です。
離婚協議が進んでから相談するのでは遅く、最初に銀行へ状況を伝えることが重要です。
⑤財産分与の協議をして選択肢を確定する
売却・住み続ける・借り換えの方向性が決まったら、
- 誰が払うのか
- いつ売るのか
- 利益や残債をどう分けるのか
を協議し、書面化します。
相談先はどこが正解?不動産・弁護士・司法書士の役割
共有名義×離婚は複数の専門家が関わります。
不動産会社に相談すべきケース
- 売却したい
- 査定が知りたい
- 任意売却を検討している
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- 相手が売却に同意しない
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- 返済を続けられるか
- 家計が成り立つか
- 将来の住み替え計画
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離婚時の住宅ローンと共有名義に関するよくある質問
住宅ローンの共同名義は離婚したらどうなりますか?
離婚しても共同名義は残ります。財産分与で売却や名義整理をしない限り、共有状態が続きます。
ペアローンのまま離婚すると問題がありますか?
ペアローンは、夫婦それぞれが自分名義の住宅ローンについて返済義務を負う仕組みです。離婚しても各自のローンの責任は消えません。そのため、借り換えや売却で整理する必要があります。
住宅ローンが残ったまま離婚することは可能ですか?
離婚自体は可能です。ただし住宅ローン契約は残り続けるため、支払い方法を決めずに離婚すると危険です。
元夫名義の家に住み続けても妻の権利は守られますか
共有名義なら、登記上の持分に応じた権利があります。
夫単独名義の家に妻が住み続ける場合でも、財産分与や合意内容によっては一定の保護が認められる余地はありますが、登記上の権利は弱くなります。
住み続けるなら、財産分与や使用期間などをできるだけ書面で明確にしておきましょう。
離婚後にローン名義だけ外すことはできますか?
原則できません。名義を外すには借り換えか完済が必要で、金融機関審査が必須です。
共有名義の家を売りたいのに相手が同意しない場合は?
共有不動産は原則同意が必要です。協議が難しければ弁護士を通じて調停など法的手続きが必要になります。
ローンを払ってくれない場合、差し押さえになりますか?
滞納が続けば競売となり差し押さえの可能性があります。早めに売却や任意売却を検討することが重要です。


