不動産売却のコツ

2024.10.31

固定資産税評価額からの売却相場を計算する方法は?計算式や注意点についても解説します。

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固定資産税評価額とは

固定資産税評価額は、土地や建物など不動産の価値をもとにして算出される評価額で、市区町村が固定資産税を課すための基準としても使用されるものです。土地や家屋の評価方法を定めた「固定資産評価基準」に基づき、各市区町村が個別に評価額を定めています。

この評価額は、土地・建物それぞれに対して算出され、固定資産税をはじめ、不動産取得税や相続税などさまざまな税金の計算に利用される重要な数字といえます。建物の構造や築年数、耐震性能、面積など様々な要素から評価され、需要が高いエリアや新しい建物ほど評価額が高くなります。

また、評価額は3年に1度の頻度で見直され、固定資産課税台帳に記録されます。

公示価格の70%の水準になるように調整されているのが特徴で、実際の市場価格よりも低めに設定される傾向があり、売買の際の金額とは異なりますので覚えておきましょう。

 

 

固定資産税評価額から売却相場を計算する方法

固定資産税評価額と売却価格は異なりますが、評価額をもとに売却相場の目安を算出することは可能です。この章では、固定資産税評価額から売却相場を計算する方法について、計算式や具体例を交えながら詳しくご紹介していきます。

 

|固定資産税評価額から売却相場を計算する式

固定資産税評価額をもとにして売却相場を算出する場合、一般的には「固定資産税評価額×140%~160%」の範囲で計算します。これは、不動産の実際の市場価格が固定資産税評価額よりも高く設定されることを反映しています。

土地・建物で算出方法が異なりますので、それぞれ解説していきます。

 

・固定資産税評価額から土地の売却相場を求める

土地の固定資産税評価額は、公示地価の70%程度です。そして売却価格は、その公示地価の110%〜120%程度が平均となっています。そのため、まず固定資産税評価額から公示地価を求めることで、売却相場が算出できます。

 

固定資産税評価額が700万円の土地の場合で、具体的な計算例をご紹介していきます。

 

700万円(固定資産税評価額)÷0.7=1,000万円(公示地価)

1,000万円×110%=1,100万円(売却相場)

 

この計算から、固定資産税評価額が700万円の土地であれば、売却相場は1,100万円〜1,200万円程度であることがわかります。

 

 

・固定資産税評価額から建物の売却相場を求める

建物の固定資産税評価額は、「再建築価格方式」で決まります。「再建築価格方式」とは、同じ建物を再度建て直したときに必要であると想定される価格のことです。一方、建物の売却相場というのは、築年数による価値減少率をもとに算出されます。

このように価格を算出する基準が異なるため、建物の場合は固定資産税評価額から売却相場を求めることが難しいといえます。

あくまで目安として売却相場を出したい場合、建物の売却価格は評価額の140%〜160%程度で計算するのが良いでしょう。

 

固定資産税評価額が1,500万円の建物の場合で、具体的な計算例をご紹介します。

 

1,500万円(固定資産税評価額)×140%=2,100万円(売却相場)

 

ただし、以上の計算式で求められる売却価格はあくまでも目安であり、実際の価格とは異なりますので、その点は頭にいれておいてください。

 

 

|固定資産税評価額の確認方法

固定資産税評価額を確認する方法として、「固定資産税課税明細書を確認する」「固定資産評価証明書を取得する」「固定資産課税台帳を閲覧する」という3つの手段があります。どの方法でも評価額を調べることができますので、1つずつご紹介していきます。

 

1.固定資産税課税明細書を確認する

毎年春頃に、固定資産税の納税通知書とともに送付される「固定資産税課税明細書」は保管されていますでしょうか?納税通知書には、課税明細書という書類が添付されており、課税明細書の「価格」または「評価額」という欄に記載されている金額が固定資産税評価額になっています。もし手元にない方は、次にご紹介する2.3.の方法をご参照ください。

 

2.固定資産評価証明書を取得する

固定資産税評価証明書は、各自治体の市税課や市税事務所にて発行してもらえます。「固定資産評価証明書」を取得できれば、証明書の「価格」という欄に固定資産税評価額が記載されていますので対象不動産の評価額を簡単に確認することができます。もし分からない場合は、取得する際に窓口担当者に確認してみましょう。

なお、この証明書は売買や相続手続きなどの際に必要となる場合がありますので覚えておくと便利です。

 

3.固定資産課税台帳を閲覧する

固定資産課税台帳とは、各自治体が作成している台帳で、不動産の所有者や相続人等の関係者であれば閲覧が可能です。

ただし、固定資産課税台帳の閲覧は市町村役場や市税事務所の窓口でのみでしか行えないため、遠方にある土地の固定資産税評価額を調べたい場合には、「2.固定資産税評価額証明書を取得」の方法がいいでしょう。

 

 

固定資産税評価額から売却相場を計算する際の注意点

固定資産税評価額をもとに売却相場を算出する場合、注意点が2つあります。

固定資産税額から算出された売却相場は、実際の売却価格を大きく下回ることも上回ることもありますので、あくまで大まかな目安として考える必要があるということを覚えておいてください。

 

 

|固定資産税評価額から売却相場を確認できるのは土地のみ

固定資産税評価額をもとに売却相場を算出する場合、この方法は主に土地の売却相場を調べる際に適しています。

先ほどの章でもお伝えしましたが、建物の固定資産税評価額は「再建築価格方式」が採用されているため、市場価格は反映されていません。しかし建物の売却価格は、築年数の経過による価値の減少(減価償却)を加味して算出するため、固定資産税評価額だけでは実際の建物の価値を正確に反映することができないというわけです。

例えば、築年数が古くなるほど建物の市場価値は下がりますが、固定資産税評価額はその減少を十分に考慮できていない場合があるなどです。

そのため、土地と建物の両方を含めた不動産の正確な売却相場を知るためには、別途不動産会社による評価や市場調査が必要になります。

 

 

|実際の売却価格と大きく異なる可能性がある

固定資産税評価額は、市区町村が3年に1度の頻度で見直しを行います。そのため、不動産市場が大きく変動した場合でも、評価額がすぐに更新されるわけではありません。この遅れにより、固定資産税評価額から算出した売却相場が実際の市場価格とかけ離れることが少なくありません。

例えば、不動産価格が急騰しているエリアでは、固定資産税評価額が実際の売却価格よりも低く見積もられる可能性が高く、一方で不動産価格が下落している地域では、逆に高く評価されることもあります。

したがって、固定資産税評価額を目安に売却相場を考える際は、あくまで参考値として捉え、市場の状況や個別の不動産の状態を考慮した追加の査定が不可欠です。

 

 

固定資産税評価額以外で売却相場を調べる方法

 

|過去の成約事例を見る

国土交通省の「土地総合情報システム」や、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構運営のネットワークシステム「REINS(レインズ)」などの情報サイトで、過去の不動産取引事例を調べることができるため、売却相場を調べるために役立ちます。

 

・国土交通省「土地総合情報システム」

国土交通省の土地総合情報システムは、土地の利用状況、所有者情報、地籍情報、地価情報、地図情報、都市計画情報など、様々なデータを一元管理し、提供しています。

売却相場を調べる上で信頼性の高い豊富なデータを得ることができ、サイトも視覚的にわかりやすいシステムです。その地域で取引された不動産の取引価格や面積、建築年などを確認することができます。

 

REINS(レインズ)

REINS(レインズ)では、登録されている販売中の物件を検索したり、過去に売買された物件の情報など、リアルタイムで信頼性の高い情報を得ることができます。

市場全体の動向や取引の傾向を把握できるのがメリットです。ただし、不動産業者用のシステムなので一般の個人では利用することができません。個人で利用したい場合は、レインズの情報をもとにした個人向けサイト「REINS Market Information」を使うことができます。

 

 

|現在の売り出し情報を見る

新築住宅や中古住宅、土地、マンションなど複数の物件情報を公開している不動産ポータルサイトで、手軽に現在売りに出ている不動産情報を見ることができます。SUUMO(スーモ)やathome(アットホーム)、LIFULL HOME’S(ホームズ)などが例としてあげれます。

実際に販売中の物件情報を閲覧することができ、エリアや価格など検索条件を細かく絞ることができます。築年数や面積なども含めて、類似したものを検索できれば、所有する不動産の相場価格目安を付けやすいでしょう。ただし、販売中物件の価格は売主の希望価格である可能性もあり、実際の成約価格とは異なるケースもあるため注意が必要です。

 

 

|不動産会社に査定を依頼する

不動産がどのくらいの価格で売却できそうか、不動産会社の査定を受けることで、売却相場を把握することができます。不動産会社による査定は、地域の市場動向や物件の特性を考慮した専門的な評価を受けられるため、売却相場を把握するうえで信頼性の高い方法といえます。ただし、査定額は物件の相場価格に明確な基準がないことや、査定の仕方でも異なるなど、不動産会社によって提示される金額が違う場合がほとんどです。

さらに、不動産会社にもエリアや不動産の種類によって得意不得意があったり、積極的に販売活動をしてくれていないなど、不動産会社に問題があって売れないケースというのも存在します。

仲介を依頼する不動産会社を決める際は、1社だけでなく複数社に依頼し、提示された査定価格だけでなく、「査定額の根拠は納得できるものか」「こちらの意図を組んでくれるか」「信頼できるか」など不動産会社の対応力などにも注目することが大切です。

 

弊社「S plus home(エスプラスホーム)」では、札幌や札幌近郊の不動産売却の仲介や買取を行っています。不動産の売却相談や査定についても無料で承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

代表取締役浜谷 卓

一つ一つのお取引を大切にし、必ずご満足のいくサービスをご提案致します。

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