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2023.10.18

土地の価値のヒミツ!「土地実勢価格」の簡単な調べ方と活用法

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不動産取引、特に土地の購入や売却を検討する際、気になるのはその「価値」。そこで重要となるのが「土地実勢価格」です。土地実勢価格とは、具体的にはある時点での土地の市場価格、すなわち実際の取引価格を基にした平均的な価格を指します。これは、土地取引だけでなく税金計算や不動産投資においても中心的な役割を果たしています。

この記事を通して、土地実勢価格の基本的な意味や、それが持つ重要性、そしてその価格をどのように活用すればよいのかのポイントを学ぶことができます。不動産に関する取引や投資を検討している方、または単純に自身の土地の価値を知りたいという方にとって参考になれば幸いです。

土地実勢価格とは何か?

土地実勢価格の基本的な定義と、それがなぜ重要なのかを解説します。

定義とその重要性

土地実勢価格とは、ある特定の時点での土地の平均的な市場価格を指します。これは、多数の土地取引事例を基にして平均化された価格であり、それぞれの土地の特性や立地条件などを考慮して算出されます。この価格は様々な要素を踏まえた上でのもので、それゆえ非常に信頼性が高いと言われており、多方面でその重要性が高まっています。

 

個人にとって、土地や家を購入・売却する際、土地実勢価格は大変参考になる情報となります。これにより、適切な価格での取引が期待できます。ビジネスの視点で見ると、企業の土地取得や不動産の資産評価など、戦略的な判断の材料として土地実勢価格は欠かせません。さらに、国家レベルで考えると、土地実勢価格は固定資産税の計算基準として採用されることが多く、公共サービスの資金調達にも影響を与える要因として位置づけられています。

土地実勢価格と市場価格の違い

市場価格は、特定の時点での実際の取引価格を指します。一方、土地実勢価格はその名の通り、土地の「実勢」、つまり実際の市場動向を平均化した価格です。これらは似ているようで異なるものであるため、取引の際には両者のバランスを理解することが重要となるでしょう。

 

市場価格は、当該地域の短期的な動向、特定の取引状況、さらには売り手や買い手の個別の状況によって大きく変動することがあります。例えば、新しい交通インフラの建設や大規模な商業施設の計画発表などのニュースによって、短期的に市場価格が急上昇する場面もあれば、その逆の場面も考えられます。しかし、土地実勢価格はこれらの短期的な変動を平滑化して示すため、土地の中長期的な価値を判断する際の基準として適しています。土地取引や投資を考える際には、市場価格だけでなく土地実勢価格もしっかりと参照することで、より適切な判断ができるでしょう。

土地実勢価格の調べ方

複数の方法で土地実勢価格を調べる手段を提供します。

 国土交通省の「取引価格情報」を調べる

国土交通省が提供する「取引価格情報」は日本全国の土地や住宅の実際の取引価格を公開するデータベースで、信頼性が高いと評価されています。この情報を利用することで、地域や時期、物件の特性に応じた実際の市場価格の動向を把握することが可能です。この情報をうまく利用することで、土地や住宅の取得、売却の際の判断材料として役立てることができます。具体的には、国土交通省の公式サイトから地域や物件種別、取引時期などの条件で検索し、取引された価格や物件の詳細情報を閲覧することができます。このようにして得られるデータを元に、土地実勢価格の概算や市場動向の分析など、多岐にわたる利用が可能となっています。

国土交通省 土地総合情報システム

公示地価から算出する

公示地価は、国が毎年公表する土地の価格の指標です。この価格は、各地域での土地の利用状況や環境、アクセス性、そして近隣の取引事例などを基にして決定されます。公示地価を土地実勢価格の算出に利用する方法は、特に土地取引が少ない地域や、新しく開発された地域など、他の情報が乏しい場合に有効です。

 

国土交通省の公式サイトなどから該当するエリアの公示地価を取得し、公示地価の基準地点と、実際に評価したい土地との間で、地形、利便性、隣接する施設などの違いがある場合、これを考慮して補正します。

この方法の信頼性は高いとされていますが、公示地価自体も時点や状況によって変動するため、常に最新のデータを基に行う必要があります。また、公示地価はあくまで「指標」であり、実際の取引価格とは異なる場合もあるので、その点も考慮する必要があります。

固定資産税評価額から算出する

固定資産税評価額を利用して土地実勢価格を計算する方法は、土地や建物の固定資産税の算定のために各自治体が設定する価格を基にしています。この評価額は土地の実勢価格としての根拠を持っており、土地の価格の大まかな目安としての役割を果たしています。

その主なメリットとして、自治体が公的に設定しているための信頼性が挙げられます。また、固定資産税の通知書や市町村の窓口、WEBサイトなどから手軽に確認できるのも大きなメリットと言えるでしょう。デメリットとしては、評価基準や算出時期、そして地域の市場動向などの要因により、実際の市場価格とは異なる価格が算出されることがあります。また、固定資産税評価額は年に1回しか更新されないため、市場の急な変動には柔軟に対応しにくいという側面もあります。

路線価から算出する

路線価とは、税務署が公表する土地の1平方メートル当たりの価格を指します。主に相続税や贈与税の土地評価の基準として利用されています。この路線価も土地実勢価格の参考として用いることができます。

 

路線価を基に土地実勢価格を推定する際の一般的な計算式は以下のようになります。

 

土地実勢価格 = 路線価 × 土地面積

 

例えば、路線価が50万円/㎡、土地面積が100㎡の場合、土地実勢価格は5,000万円となります。

 

ただし、路線価が示すのはあくまで税務上の価格であり、実際の取引価格とは乖離がある場合が多いです。そのため、土地実勢価格の算出に際しては、近隣の取引事例やその地域の市場動向を踏まえた補正が必要となることが考えられます。

 

また、路線価は毎年更新されるため、最新の情報をもとに計算を行うことが望ましいです。加えて、路線価は主要な道路沿いの土地価格を示すものであり、実際の物件の位置や環境によっては、価格にバラツキが生じることも考慮する必要があります。

不動産会社に査定を依頼する

不動産会社に査定を依頼することも、土地実勢価格の正確な把握を行うための一つの手段として非常に効果的です。専門的な知識と経験を持った不動産業者が、その地域の市場動向、物件の特性、近隣の取引事例などを基に査定額を算出してくれます。

 

まず、査定依頼の際には、物件の基本情報、周辺環境、建物の状態、土地の形状や向きなどの詳細情報を元に、不動産業者は現地調査を行ったり、売却事例を活用して詳細な査定を進めていきます。

しかしながら、査定額には注意が必要です。査定を行う不動産業者やその業者の査定基準、市場の動向などにより、査定額にはばらつきが生じることがあります。複数の業者に査定を依頼し、それぞれの査定額や提案内容を比較検討することが推奨されます。

最終的には、査定額だけでなく、業者との信頼関係やコミュニケーションの質など、総合的な要因を考慮して判断することが大切です。

土地実勢価格を参考にするときの注意点

土地実勢価格を用いる際のリスクとその回避方法について説明します。

地域性の影響

土地の価格は、その位置や地域性に大きく左右されます。都心部と地方都市、また地方の中心部とその周辺では、土地実勢価格の変動幅が顕著になることが一般的です。

大都市の中心部では、ビジネスエリアの存在、交通の利便性、商業施設や公共施設の密集度などが土地価格を押し上げる要因として挙げられます。一方で、地方都市やその外れの地域では、人口減少や地域経済の停滞などから、土地価格が下落する傾向が見られる場合があります。これは、同じ面積の土地でも、立地によって価格に何倍もの差が生じる原因となっています。

さらに、特定の地域における突発的な価格変動も考慮すべき点です。新しい駅の開業や商業施設の進出、あるいは大規模な再開発計画の発表など、地域の環境変化は土地価格に直接的な影響を及ぼします。

時間的変動に注意

土地実勢価格は、様々な要因により時間とともに価格が上下します。

例えば、経済状況は土地実勢価格の変動の大きな要因の一つです。国や地域の経済が好調であれば、企業活動や雇用機会が増え、その結果、土地の需要が増加する可能性が高まります。逆に、経済が低迷すると、不動産への投資意欲が減退し、土地価格が下落する傾向が出てきます。

 

また、自然災害も土地価格に大きな影響を与える要因です。地震や洪水、台風といった大規模な災害が発生した場合、被災地域の土地価格は短期的に急落することが考えられます。その後の復旧や再建の進行状況、または再発のリスクなどによって、中長期的な価格の回復や変動も生じるでしょう。

これらの要因による時間的な変動を意識せずに、古い情報を基に取引を行うと、大きな損失を被るリスクが高まります。

実勢価格と公示価格に価格差がある理由

実勢価格と公示価格の間に価格差が生じる理由とその影響について解説します。

評価基準の違い

実勢価格と公示価格の間に生じる価格差の大きな理由は、それぞれの評価基準の違いにあります。これらの価格は同じ土地に関するものであっても、その背後にある評価方法や目的が異なるため、価格の乖離が見られることが一般的です。

実勢価格は、実際に行われた土地の取引価格を基に算出されるものです。これは、実際の市場での需要と供給のバランスを直接反映した価格と言えます。このため、実勢価格は短期的な市場の動きや、特定のエリアでの人気度、地域の開発状況など、様々な要因によって変動します。

一方、公示価格は、地方自治体が毎年公表する土地の価格であり、固定資産税の算定などの公的な目的で使用されます。公示価格の算定には、一定の基準や方法が用いられ、特定の時点での市場価格や地域の開発計画、土地の利用状況などをもとに、一般的な価格を示すことを目的としています。

このような評価基準の違いから、実勢価格は市場の実態をよりダイレクトに反映するものであり、公示価格はより安定的で一般的な土地価格を示すものとなります。

市場状況とのギャップ

実勢価格と公示価格との間に生じる価格差の背後には、市場状況の変動とその二つの価格の更新速度があります。実勢価格は、リアルタイムの市場の動き、例えば物件の取引状況や需給バランスを即座に反映しています。これに対して公示価格は、定期的な評価に基づき、過去の取引データや地域の平均的な動きをもとに算出されます。

不景気や経済の低迷が進むと、不動産の需要が減少する可能性があります。このような状況では、実勢価格はすぐに市場の減少傾向を反映する一方で、公示価格はその変動を遅れて反映することになります。逆に、経済が活況を呈し、土地に対する需要が高まる場合、実勢価格は価格上昇をすぐに示すことができますが、公示価格はこの変動をタイムラグをもって反映します。

まとめ

土地実勢価格を正確に理解することは、不動産取引や投資における賢明な判断を下すための基盤となります。この記事では、実勢価格を知るための主な方法、それぞれの方法の特徴や信頼性、そして市場の動向や評価基準による価格の変動要因について解説しました。

都心と地方、時間的な変動、評価基準の違い、市場状況のギャップなど、さまざまな要因が価格に影響を及ぼすことを念頭に置きながら、正確な価格情報を取得することは不可欠です。

土地実勢価格を正確に知ることのメリットは、リスクの回避や機会損失の防止に直結します。土地の価値は時とともに変動するため、情報を日々更新することが大切です。今後は、この知識を活用し、その情報を元に、適切なタイミングでの購入や売却、あるいは投資判断を行うことができるでしょう。

この記事を書いた人

代表取締役浜谷 卓

一つ一つのお取引を大切にし、必ずご満足のいくサービスをご提案致します。

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