不動産売却のコツ

2022.10.31

見落とし注意!不動産アパートの売却にかかる税金と諸費用をすべて理解しておこう

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こんにちは、札幌の不動産会社「S plus home」の浜谷です。

 

不動産アパート売却の際には、アパートがいくらで売れるのかだけでなく、売却時にかかる税金や必要な諸費用まで把握しておくことが大切です。

 

アパート売却にかかる税金は金額が大きく、希望の売値でアパートが売れたとしても、税金や諸費用を引くと手元にはわずかな金額しか残らなかった…もしくは、マイナスになってしまったなど、大きな損につながりかねません。

 

今回の記事は、不動産アパートの売却にかかる「税金」と「諸費用」について網羅できる内容にしておりますので、ぜひ、損のない売却のためにお役立てください。

不動産アパートの売却時に課税される税金は4つ

アパート売却にかかる税金は、主に下記の4種類です。

 

ひとつずつ詳しく解説していきますが、特に消費税と譲渡所得税に関しては注意が必要になりますので、しっかり理解しておきましょう。

【不動産アパート売却の税金4つ】
①     消費税 売主が課税事業者の場合のみ、アパート建物部分の売却に対して課税。
②     不動産譲渡所得税 売却で不動産譲渡所得が得られた場合にのみ「譲渡所得税」が課税。
③     登録免許税 アパートを売主の名義から買主の名義に変更する移転登記の際に課税。
④     印紙税 売買契約書などに貼付する収入印紙代

不動産アパート売却の税金①消費税

アパートを売却した際に、消費税が課税されるかどうかは、売主が「課税事業者」かどうかがポイントになります。

 

消費税は、事業者が事業として利益を得て繰り返し行う行為にかかるものなので、法人・個人問わず課税事業者になりえます。

 

例えば、自分が住む目的で購入した分譲マンションの部屋を売却する場合は、消費税はかかりません。それに対して、投資用アパートなどの収益物件を売却する場合には、建物の売却価格に消費税が課税されます。

 

事業者というと法人のイメージがあり、個人のアパート売却には消費税がかからないと思われている方もいますが、利益を得て繰り返し行う行為を事業とするので、個人でも課税事業者とみなされる場合があります。

 

アパートの売却価格は高額の場合が多いため、消費税が課税される場合は消費税も多額になります。

この記事で、何が課税対象になるのかきちんと把握しておきましょう。

個人でも該当するケースがある!課税事業者とは?

アパートの売却時に消費税が課税される「課税事業者」に該当するかどうかは、法人・個人・個人事業主に関わらず、基準期間内における「課税売上高(※消費税が課税される売上高)」がポイントになります。

 

※消費税が課税される売上とは、オフィスや店舗等の事業用家賃収入のことです。

投資用アパートのような住宅の家賃収入は、政策的な配慮から消費税が課税されない非課税売上となっています。

課税事業者の判定方法は?

では、どのような場合に課税事業者と判定されるのでしょうか。

「❶基準期間における判定」と「❷特定期間における判定」について解説していきます。

❶基準期間における課税売上高が1,000万円を超えている

・個人の場合は、2年前の課税売上高が1,000万円を超えているとき

・法人の場合は、2期前の課税売上高が1,000万円を超えているとき

 

上記の場合には、消費税が課税されます。基準期間内に複数取引をおこなっている場合は、その総額が対象です。

 

2年前(2期前)の課税売上高が判断基準になる理由は、1年前(1期前)だと確定申告の処理がまだ完了せず、業績が不確定の可能性があるためです。

 

そのため、1年前(1期前)に課税売上高が1,000万円を超えていても、2年前(2期前)が1,000万円以内であれば、消費税が課税されないので覚えておきましょう。

❷特定期間における課税売上高、または支払った給与等の金額が1,000万円を超えている

基準期間が存在しない場合や、基準期間内による課税売上高が1,000万円以下の場合は、「特定期間」の課税売上高が1,000万円を超えているかどうかがポイントです。

 

特定期間とは、原則として前年度の期首から6カ月間(個人事業主の場合はその年の前年1月1日~6月30日までの期間)をいいます。

 

また、課税売上高の代わりに特定期間内に支払った給与等人件費の合計額でも判断できるので、課税売上高が1,000万円を超えていても、給与等の支給額が1,000万円以下なら免税されます。

消費税が免除される免税業者とは?

免税業者とは、上記で説明した課税事業者❶❷に該当しない法人・個人のことで、事業者免税点制度により消費税の納付義務が免除されます。

 

・上記の課税事業者❶❷に該当しない

・事業開始後2年以内である

 

事業開始後2年以内の法人は、基準期間が存在しないため1期目・2期目は免税事業者となりますが、3期目に関しては、課税事業者になる可能性があります。

 

また上記でも説明しましたが、投資用アパートのような住宅の家賃収入は非課税売上のため、住宅系の不動産しか保有しておらず、売却をしていない場合には、ほとんどの場合が免税業者になっていることが一般的です。

 

ただし、昨年まで免税事業者であっても、前々年にアパートやマンション等を売却している場合、今年は消費税の課税事業者になっている可能性があるので確認が必要です。

不動産アパート売却の税金②不動産譲渡所得税

不動産譲渡所得税は、アパートの売却で不動産譲渡所得が得られた場合にのみ課税されます。

不動産譲渡所得は下記の計算式で算出します。

 

不動産譲渡所得=売却価格-(取得費用+購入価格)

 

例:アパートの売却価格3,000万円、取得費用200万円、購入価格2,000万円の場合

売却価格3,000万円-(取得費用200万円+購入価格2,000万円)=不動産譲渡所得 800万円

 

譲渡所得税の税率は、そのアパートを所有していた期間によって下記のように異なります。

 

アパートの所有期間 譲渡所得税率
所有期間が5年を超える(長期譲渡所得) 20.315%
所有期間が5年以下(短期譲渡所得) 39.63%

 

先ほど例にあげた不動産譲渡所得が800万円の場合、不動産譲渡所得税は下記のようになります。

 

アパートの所有期間 計算式 譲渡所得税
所有期間が5年を超える(長期譲渡所得) 800万円×20.315% 1,625,200円
所有期間が5年以下(短期譲渡所得) 800万円×39.63% 3,170,400円

 

不動産譲渡所得税は、アパート売却をした年の翌年に確定申告にて納めます。

またアパートの売却については、自己が居住していた不動産の売却にあたらず、譲渡益が出た場合に下記3つの特例は利用できませんので注意してください。

 

×3,000万円特例控除

×10年超所有軽減税率の特例

×特定居住用財産の買換え特例

不動産アパート売却の税金③登録免許税

アパートを売却したら、所有者(売主)の名義で登記されていたアパートを買主の名義に変更する移転登記を行う必要があり、その際に課税されるのが「登録免許税」です。

 

アパート売却の際に生じる登記は主に、所有権移転や抵当権設定、ローン残債がある場合は抵当権抹消登記が必要になります。うち、売主が支払う可能性があるのは「所有権移転登記」「抵当権抹消登記」の費用です。

 

所有権移転登記費用については買主負担が一般的ですが、法的な決まりがないため売主負担になる可能性もあるので覚えておいてください。

 

抵当権抹消登記にかかる登録免許税は、1つの不動産につき1,000円です。アパート売却の場合は、建物と土地の2つの不動産になるため、2,000円となります。

また、司法書士に登記作業と依頼する場合は、1~2万円程度の報酬支払いが発生します。

不動産アパート売却の税金④印紙税

印紙税とは、アパート売却時の売買契約書に貼る印紙のことで、国・自治体に対して支払う税金の一つです。定められた金額の印紙を貼って消印をすることで納税したとみなされます。

 

印紙を貼っていなかった場合には3倍の額の過怠税が、消印されていない場合には同額の税金を納めなければいけません。

 

また印紙の金額は、契約書の掲載金額(ここではアパートの売買価格)によって異なります。2024年3月31日まで税額には軽減措置が適応され、下記表の通りとなります。

 

契約書の記載金額 印紙税額(軽減後)
1万円未満 非課税
1万円以上50万円以下 200円
50万円超100万円以下 500円
100万円超500万円以下 1,000円
500万円超1,000万円以下 5,000円
1,000万円超5,000万円以下 10,000円
5,000万円超1億円以下 30,000円
1億円超5億円以下 60,000円
5億円超10億円以下 160,000円
10億円超50億円以下 320,000円
50億円超 480,000円
契約金額の記載のないもの 200円

印紙税額は、2024年3月31日までに作成される契約書の場合です。

 

なお、売買契約書は売主用と買主用の2通作成しますので、2通分の印紙税が必要になりますが、売主と買主で1通分ずつ負担するのが一般的です。

 

買主は必ず原本を持つ必要がありますが、売主に関してはコピーを控えとしても問題ないので印紙税の負担を半額にすることもできます。

 

※売主の控えとして印紙貼り付けをしなくても良いのは、個人間の売買など「非営利」となる取引に限ります。賃貸経営を行っていたアパートの売却や、法人・事業主がアパートを売却する際は「営利目的」とみなされるので、保管分にも印紙貼り付けが必要になります。

見落とし注意!不動産アパートの売却時には諸費用も必要!

アパート売却にかかる税金4種類についてこれまで解説してきましたが、その他にかかる諸費用が3種類あります。これらを合わせるとアパート売却でかかる税金と諸費用は全部で7種類です。

 

諸費用についても、ひとつずつ詳しく解説していきますので、見落としのない売却を成功されましょう。

 

【不動産アパート売却に必要な諸費用3つ】

①     仲介手数料 アパートの売却を不動産会社に依頼した場合に不動産会社へ支払う報酬
②     入居者の立退料 売却するアパートに入居者がいる場合に、立ち退いてもらうための費用
③     ローン返済手数料 売却するアパートにローンの返済残高がある場合にかかる手数料

※諸費用にもそれぞれ消費税がかかります。

不動産アパート売却の諸費用①仲介手数料

アパートの売却を不動産会社に依頼した場合に、不動産会社へ支払う報酬が仲介手数料です。

アパートの売却価格に応じて、下記のように算出されます。

 

不動産の売却価格 仲介手数料の計算式
200万円以下の場合 売却価格×5%+消費税
200万円超え400万円以下の場合 売却価格×4%+2万円+消費税
400万円超えの場合 売却価格×3%+6万円+消費税

※仲介手数料を算出する際の不動産売却価格は、税抜で計算することになっています。

 

アパートの売却価格と比例して負担額が大きくなるので、事前に計算しておきましょう。

不動産アパート売却の諸費用②立退料

売却するアパートに入居者がいる場合は、立ち退いてもらうために立退料を支払うケースがあります。この立退料には消費税がかかります。

 

立退料に明確な決まりはありませんが、下記2パターンが一般的です。

 

【立退料の目安】

・家賃の6カ月分~1年分

・新居へ入居するための費用全額(保証金・敷金礼金・仲介手数料など)

 

入居者側に債務不履行がある場合や、アパートの老朽化がひどい場合などは、交渉次第でもっと安い価格で済むこともあります。

不動産アパート売却の諸費用③ローン返済手数料

売却するアパートにローンの返済残高がある場合は、引渡し前までに完済しなければいけません。

 

アパートの売却価格で完済するのが一般的ですが、返済する際には「繰り上げ返済手数料」や「一括返済手数料」が掛かり、こちらには消費税が課税されます。

不動産アパートの売却には節税対策も!

このように、アパート売却のためには多くの税金や諸費用がかかります。

しかし、その金額を少しでも安く抑えるための対策が存在する場合もあります。

 

節税対策については賃貸アパートの売却で使える節税対策5選!損のない売却を成功させよう」をご覧ください。

 

経験豊富な不動産会社では、そういった節税対策なども踏まえながら売却のご相談を承ることができますので、信頼できる不動産会社を見つけることは、売却成功の近道といえます。

 

アパートの売却をご検討の方は、ぜひ弊社「S plus home(エスプラスホーム)」へご相談ください。

ご相談はコチラ(https://s-plushome.jp/consultation)から

この記事を書いた人

代表取締役浜谷 卓

一つ一つのお取引を大切にし、必ずご満足のいくサービスをご提案致します。

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