相続のこと

2022.12.20

不動産の相続放棄は可能?流れや必要書類などをチェック

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こんにちは。札幌の不動産会社「S plus home」の浜谷です。

遠方の田舎で親が住んでいた家など、相続しても住む予定がない、管理が大変といった不動産を「できれば相続したくない」と考える方もいると思います。
そのような場合には、不動産を相続放棄するという選択肢もありますよ。

今回のコラムでは、不動産の相続放棄について解説。
不動産を相続放棄する手続きや必要書類、注意点などをご紹介します。
相続放棄をする際の流れとともに、メリット・デメリットも確認していきましょう。

 

不動産の相続放棄は可能?

土地や家など、不動産を相続放棄することは可能です。
田舎にある古い家などは、相続放棄をして手放せば管理維持の手間や費用がかかることはないですし、固定資産税が課税されることもありません。

ただし、不要な不動産だけを選んで相続放棄することはできず、不動産の放棄をするということは、そのほかの相続財産についてもすべて放棄するということになります。

また、「相続人が自分一人で相続放棄するケース」と「相続人全員が相続放棄をするケース」の際には、不動産の管理義務が残る場合もあります。
なぜなら、古い空き家を誰も管理しないまま放置することは許されないからです。

相続放棄をすると、その相続人は法律上「はじめから相続人ではなかった」とみなされます。

配偶者を除く相続の順位は、①子(子が亡くなっていれば孫)、②親、③兄弟姉妹 となっています。
子、親、兄弟姉妹がそれぞれ1人ずつしかいない場合、子が相続放棄をすれば相続は親へ、親も放棄をすれば兄弟姉妹へ移ります。

もし全員が不動産を放棄した場合は、誰も管理しないまま放置するわけにはいかないため、「相続財産管理人」を選任するまでは、管理義務が残ります。
相続財産管理人の選任は家庭裁判所への請求が必要で、一連の手続きには少なくても数十万円以上の費用がかかります。

空き家問題と空き家等対策特別措置法

現在日本では、高齢化にともない、空き家の増加が問題となっています。
適切に管理されない空き家が放置されると、倒壊の危険や周辺環境への悪影響、不審者が住み着いたり放火されたりなどの恐れがあります。

そのため、2015年には「空き家等対策特別措置法」が施行。
空き家を所有者や管理者が放置して「特定空き家」に認定されると、土地の固定資産税の軽減措置が適用されなくなったり、修繕や撤去の指導や勧告、行政代執行などが行われたりするようになりました。

周辺環境へ悪影響を及ぼす空き家を増やさないため、たとえ相続放棄をしても次の管理者を見つけない限り、誰かが不動産の管理を続けなくてはいけないのです。

 

不動産を相続放棄する際の流れと必要書類

不動産の相続放棄は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所へ「相続放棄の申述」をすることで行えます。

主な必要書類は以下の通り。

  • 相続放棄の申述書
  • 被相続人の住民票除票または戸籍附票
  • 申述人の戸籍謄本
  • 相続人と被相続人の関係が分かる戸籍謄本(被相続人の除籍など)
  • 収入印紙(申込み人1人につき800円分)

書類の提出は持参のほか、郵送でも可能です。
郵送の場合は返信用の切手や封筒も同封します。

相続放棄の申述を提出すると、裁判所から相続放棄の意思などを確認する「照会書」が送られてきますので、回答、署名押印をして裁判所へ返送しましょう。
相続放棄が認められると「相続放棄申述受理通知書」が届き、一連の手続きが完了します。

相続放棄の手続き時に注意すること

相続放棄の期限は、相続の事実を知った日から3カ月以内となっています。
相続財産の調査や、相続人の確認などをしているとすぐに過ぎてしまうので、相続放棄を検討している場合は注意してください。

また、すでに財産の一部を受け取ったり、使ったりしている場合は、相続を承認しているとみなされ、相続放棄はできません。

 

不動産を相続放棄せずに手放す方法

不動産を相続放棄せずに手放すには、相続してから売却するか、または寄付するという方法があります。

不動産を売却するには、不動産会社へ依頼して購入希望者を探しましょう。
仲介ではなく不動産会社に直接買い取ってもらう、不動産買取という方法もありますよ。

相続した不動産を売却した場合、条件や金額によっては確定申告が必要となることもあるので注意してください。
不動産相続で確定申告が必要となるケースについては「不動産相続で確定申告は必要?必要な場合や申告方法、注意点を解説」のコラムで詳しくご紹介していますので、参考にしてみてくださいね。

不動産の寄付は、国や自治体、企業などで受け付けている場合もあります。
ただし、すべての不動産が必ず寄付できるわけではなく、それぞれの団体で必要とされる不動産のみ寄付が可能なことが多いです。
まずは国や自治体、企業のホームページなどを確認してみましょう。

また、個人へ寄付(贈与)することもできますが、その場合は不動産を譲った相手に贈与税がかかる可能性があることにも注意しましょう。

 

不動産を相続放棄するメリット・デメリット

不動産を相続放棄するメリットとデメリットをあらためて確認しましょう。

【メリット】

  • 不動産の維持管理の手間や費用がかからない
  • 固定資産税がかからない

【デメリット】

  • ほかの相続財産もすべて相続放棄することになる
  • 管理義務が残る可能性がある

使う予定のない不動産でも、所有している限り固定資産税がかかりますし、維持管理の手間や費用も必要。
相続放棄をすればこういった負担がなくなるのは大きなメリットです。

しかし、不動産だけ相続放棄することはできないので、ほかの相続財産もすべて放棄することになる点、場合によっては管理責任が残る可能性がある点がデメリット。

メリットとデメリットをよく理解したうえで、不動産を相続放棄するかどうか判断しましょう。

 

不動産の相続放棄はメリット・デメリットを知って判断を

家や土地などの不動産を相続放棄することは可能です。
使用しない不動産を相続放棄すれば、維持管理の手間や費用がかからず、固定資産税の支払いも必要なくなることがメリット。

しかしその場合には、ほかの相続財産もすべて相続放棄することになります。
また、相続人が全員相続放棄する場合などでは、管理者が決まるまで不動産の管理義務が残る可能性も。
このようなメリットとデメリットを踏まえたうえで、相続放棄をするかどうか判断しましょう。

相続放棄せずに手放すには、売却や寄付といった方法もありますよ。

相続放棄は、家庭裁判所へ相続放棄の申述書を提出して行います。
期限は相続開始から3カ月間で、相続財産や相続人を確認したり、必要書類を取り寄せたりしていると意外に時間がないため注意してくださいね。

S plus homeでは、札幌や札幌近郊の不動産買取・仲介を行っています。
不動産の売却で何かお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

この記事を書いた人

代表取締役浜谷 卓

一つ一つのお取引を大切にし、必ずご満足のいくサービスをご提案致します。

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