お金のこと

2022.06.01

家の売却に消費税はかかる?不動産売買時の消費税について

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こんにちは、札幌の不動産会社「S plus home」の浜谷です。

消費税は、私たちの日常に大きく関わる身近な税金ですが、家の売却などの不動産売買には消費税が課税されるものと非課税のものが存在します。

不動産の売買価格は大きいことがほとんどのため、消費税が課税される場合は消費税も多額になりますので、何が課税対象になるのか、きちんと把握しておきましょう。

不動産売却についての消費税

不動産の売却では、消費税がかかる場合とかからない場合があり、課税対象になるのは下記4つの条件に該当する取引です。

【消費税課税対象に該当する4つの条件】

・国内での取引である

・事業者の事業活動である

・事業者が対価を得ておこなう取引である

・資産の譲渡や貸付、おそび役務の提供である

 

つまり「事業者」とは法人や個人事業主のことで、事業者ではない「個人」がおこなう不動産売却には消費税がかからないということです。

▶消費税課税対象者の例外

しかし、個人でも下記2つの条件のどちらかに該当する場合は「個人事業主」とみなされ、消費税課税対象になりますのでご注意ください。

 

【個人でも消費税課税対象に該当する2つの条件】

・事業の前々年の課税売上が1,000万円を超えていた場合

・前年の1~6月の課税売上が1,000万円を超え、かつ給料支払い額の合計が1,000万円を超えた場合

 

例えば、会社員でも家賃収入を得ている場合で、前々年の課税売上が1,000万円を超えた場合など。

また、法人であっても「前々年度」の課税売上が1,000万円に満たない場合は、免税事業者となり消費税が課税されません。

 

ご自身が「個人」なのか「法人、または個人事業主」なのかきちんと把握しておくことが大切です。

たとえ非課税の「個人」に該当するとしても、不動産売却に付随するものに消費税がかかるものがありますので、次の項目で詳しく説明していきます。

個人の不動産売却時に発生する消費税

個人で居住用の自宅や別荘などの不動産を売却する場合は、消費税の課税対象にはなりません。個人が住宅を売却するのは1回限りなので事業取引に該当しないからです。

個人が不動産売却する際にかかる消費税は「各種手数料」になります。

 

【個人の不動産売却にかかる消費税】

・不動産会社へ支払う仲介手数料

・司法書士へ支払うの手数料

・住宅ローン関連の事務手数料

 

個人が個人へ不動産を売却する場合には、これらの手数料は掛からないため消費税納税の必要はなくなりますが、不動産売却には専門知識を必要とするものがほとんどで、多くの時間と労力を要します。取引におけるトラブル防止の観点からも、個人間の不動産売却はあまり得策とはいえないでしょう。

法人・個人事業主の不動産売却時に発生する消費税

基本的に、法人や個人事業主が不動産売却をする際には消費税が課税されます。不動産会社などの法人は1回限りの不動産売買をおこなうわけではなく、何度も繰り返し取引を行ため「事業の一環による不動産売却」とみなされるためです。

冒頭でも説明したように前々年の課税売上が1,000万円以下の事業者は免税業者に該当し、消費税がかかりません。

 

【法人・個人事業主の不動産売却時にかかる消費税】

・不動産売却時の「建物」

・仲介手数料

法人や個人事業主であっても「土地」の売買には消費税が課税されません

 

例:売却価格3,000万円のうち建物価格が1,000万円の戸建ての場合→建物価格1,000万円に対して消費税10%がかかるので消費税100万円が課税され、合計税込み価格は3,100万円となります。

 

不動産売買の非課税対象

個人や法人関係なく、不動産売買における非課税対象は主に下記5つです。

【不動産売買の非課税対象】

・土地の売買

・庭木や石垣など土地の定着物

・不動産譲渡所得税

・登記免許税

・印紙税等の税金

 

「土地」は非課税ですが、土地を駐車所や地下車庫などにしている場合は「土地」ではなく「設備」としてみなされ、消費税の課税対象になります。

不動産売却益にかかる不動産譲渡所得税や不動産登記に必要な登記免許税、契約書に貼付する印紙税は、そもそもが税金なので消費税は課されません。

 

不動産売却にかかる消費税計算方法

個人の場合に消費税がかかる「手数料」、法人や個人事業主の場合に消費税がかかる「建物」、それぞれの計算方法をご紹介します。

手数料にかかる消費税計算

不動産会社へ支払う仲介手数料は、下記のように計算式決められているので、該当する売却価格に応じて計算してみてください。

 

不動産の売却価格 仲介手数料の計算式
200万円以下の場合 売却価格×5%+消費税
200万円超え400万円以下の場合 売却価格×4%+2万円+消費税
400万円超えの場合 売却価格×3%+6万円+消費税

※仲介手数料を算出する際の不動産売却価格は、税抜で計算することになっています。

 

計算例:不動産売却価格(税抜)が3,000万円の場合だと、3,000万円×3%+6万円=96万円

96万円に消費税が掛かるので96万円×消費税率10%=消費税は9.6万円です。

 

仲介手数料以外の「司法書士への手数料」や「住宅ローン関連の事務手数料」は通常通り、その税抜き金額に消費税率をかけて計算します。

不動産に含まれる建物に掛かる消費税

新築住宅や中古戸建等の不動産売却の際、建物には消費税がかかり、土地は非課税であることは先ほども記述しましたが、改めてご紹介しておきます。

 

例:売却価格3,000万円(建物1,000万円・土地2,000万円)の戸建ての場合

建物1,000万円×消費税率10%=消費税100万円 よって売却物件の税込価格は3,100万円

 

建物と土地の金額が明確に区分されていない場合は、固定資産税評価額などをもとに合理的に按分してそれぞれの金額を算出し、建物に対して上記と同じ計算で消費税額を出します。

なお、不動産価格については消費税も含めた税込価格で表示することが義務付けられています。

消費税の納税方法

課税対象にあたる取引の消費税納付は、税務署へ確定申告をする必要があります。

法人の場合は、課税期間の翌日から2ヵ月以内に手続き。個人事業主の場合は、翌年の3月31日までの手続きが必要です。

また、消費税の納付額が一定額を超えると「中間申告と中間納付」が必要になります。前年度の消費税納付額に応じて中間申告納付額が設定され、中間申告が必要な場合は、税務署から中間納付額が記載された納付書が送られてきますので、記載された期日までに納付が必要となります。申告対応が遅れると、納付予定金額に加算税や延滞税などが発生し、通常より多くの消費税を払わなくてはいけなくなりますのでご注意ください。

消費税率の改定時

不動産売買の消費税率は「不動産の引渡し時点」で判断されます。

消費税率が改訂される場合には、その改定日前日までに引渡しが行われたかどうかで消費税率が決まるということです。

 

例:2019年10月1日から消費税率が8%から10%に引き上げられました。

このとき消費税率8%で不動産の売買を行おうとすると、2019年9月30日までに不動産の引渡しを完了するが条件になります。

最後に…

不動産売買は取引金額が大きく、それにかかる消費税の金額負担も大きいです。

消費税がかかるもの、かからないものをしっかり抑えて、想定外の出費を防ぎ、計画的な不動産売買にしましょう。

この記事を書いた人

代表取締役浜谷 卓

一つ一つのお取引を大切にし、必ずご満足のいくサービスをご提案致します。

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