不動産売却のコツ

2022.10.15

アパート売却にかかる不動産譲渡所得税の計算式や特例について

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こんにちは、札幌の不動産会社「S plus home」の浜谷です。

 

アパート売却の際にかかる税金や必要な諸費用について、別記事「アパート売却に必要な税金4つと諸費用3つを分かりやすく解説!」にてご紹介しましたが、その中でも特に高額になるケースが多い「不動産譲渡所得税」について、今回解説いたします。

 

譲渡所得が発生する場合にのみ課税されるものなので、わかりにくく間違いやすい税金の一つですが、具体的な金額の目安をつけていただけるように計算式も記載しておりますので、ぜひ参考にしてください。

アパート売却の税金「不動産譲渡所得税」って?

アパートを売却して利益が出た場合のみ、その売却益に対して「譲渡所得税」が課税されます。

 

売却利益は譲渡所得のことで、細かく説明すると所得税・住民税・復興特別所得税を総称して「譲渡所得税」と言います。

 

アパート売却で損失(譲渡損失)が発生する場合には課税されません。

 

また、譲渡損失は同年中に売却した他不動産の譲渡益と損益通算できますが、給与所得などの他の所得とは損益通算できないので覚えておいてください。

不動産譲渡所得の計算式

不動産譲渡所得(売却益)は下記の計算式で算出します。

 

取得費・譲渡費用が多ければ多いほど譲渡所得が減り、それに課税される不動産譲渡所得税も安くなりますので、細かな費用でもできるだけ譲渡費用に計上するのが良いでしょう。

不動産譲渡所得の計算式と各項目の内容

不動産譲渡所得 = 売却価格 -(取得費+譲渡費用)
【売却価格】

アパートの売却価格のことを指しますが、金銭ではなく対価として物や権利を受け取った場合などは、その物や権利の時価が売却価格(譲渡価格)とされます。

 

また、売却価格の他に固定資産税の清算金が含まれますので注意してください。

【取得費】

アパートを購入した当時の費用で、購入時の仲介手数料や印紙代・登録免許税・不動産取得税などの諸費用も含まれます。賃貸経営していたアパート売却の場合は、これまでにかかった設備費やリフォーム費用なども取得費に含まれます。(事業所得などの必要経費に算入していない場合)

 

また建物の取得費は、購入代金または建築代金などの合計額から減価償却費相当額を差し引いた金額となります。 

▶減価償却費の計算式
建物購入費用×0.9×償却率×経過年数
アパート建物構造 耐用年数 償却率
鉄筋コンクリート 47年 0.022%
軽量鉄骨 27年 0.038%
木造 22年 0.046%

 

※購入時の価格がわからない場合

相続等でアパートを取得した場合、購入した当時の費用がわからない場合は、「売却価格の5%」を取得費として計算することになっています。

【譲渡費用】

アパートを売却する際に生じた、仲介手数料や印紙代・建物解体費など様々な諸費用のことを指します。

 

売却のために支払った立退料なども含みます。固定資産税など、維持や管理にかかった費用は含むことはできませんので覚えておいてください。

 

譲渡費用に含めていいものか否かの判断が難しいものも多いので、不動産会社に確認してみましょう。

 不動産譲渡所得税の計算式

譲渡所得が下記800万円の場合での計算例をご紹介いたします。

 

例:アパートの売却価格3,000万円、取得費用200万円、購入価格2,000万円の場合

売却価格3,000万円-(取得費用200万円+購入価格2,000万円)=不動産譲渡所得 800万円

 

譲渡所得税の税率は、そのアパートを所有していた期間によって下記のように異なります。

 

アパートの所有期間 譲渡所得税率
所有期間が5年を超える(長期譲渡所得) 20.315%
所有期間が5年以下(短期譲渡所得) 39.63%

 

先ほど例にあげた不動産譲「渡所得が800万円の場合、不動産譲渡所得税は下記のようになります。

 

アパートの所有期間 計算式 譲渡所得税
所有期間が5年を超える(長期譲渡所得) 800万円×20.315% 1,625,200円
所有期間が5年以下(短期譲渡所得) 800万円×39.63% 3,170,400円

譲渡所得税は確定申告が必要

譲渡所得は「分離課税方式」と呼ばれるもので、給与所得とは別所得として計算して確定申告し、税金を納める必要があります。

 

譲渡所得税のうち、所得税と復興特別所得税は不動産を売却した翌年の確定申告の時期である2月16日~3月15日の間に申告して納付します。

 

住民税は所得税と同じく売却した翌年に確定申告を行い、6月頃に一括、もしくは4分割で納付します。

 

この時期に確定申告を行わなかった場合、「無申告加算税」や「延滞税」といったペナルティーを受ける可能性が出てきます。

いずれも非常に高い税率となっているため、税金が高額になってしまいますので注意してください。

 

申告方法は、「直接ご自身で税務署へ提出」「e-TAXを利用して提出」「税理士に依頼する」のいずれかになります。

 

税理士に依頼する場合は、税理士への報酬費用がプラスで必要になります。

申告は、申告書類提出時に居住している住所地を管轄する税務署にて行いましょう。

アパート売却で利用できる特例

投資用アパートを売却して新たに投資用物件を購入する場合、「特定事業用資産の買い替え特例制度」を利用できる場合があります。

特定事業用資産の買い替え特例制度

特定事業用資産の買い替え特例制度とは、投資用マンションの売却後一定期間に新たに投資用マンションを購入し、購入後1年以内に賃貸を始めた場合に適応される制度です。

 

これは不動産買い換え時の負担を下げるために、納税を一時的に将来に繰り延べるもので、税負担自体がなくなるわけではありません。

 

一時的に免れることができ、譲渡所得にかかる税金を最大で80%まで繰り延べ出来ます。

売却時の負担を減らすことができるため、該当する方は上手に活用しましょう。

 

ただし、特例制度の対象となるのは、アパート売却の前年〜翌年に新たに購入した物件です。

 

前年中に購入した物件を「買い替え資産」とするためには、購入した年の翌年3月15日までに「先行取得資産に係る買換えの特例の適用に関する届出書」を税務署長に提出をしておくことが必要です。

 

また、譲渡した翌年中に新たにアパートを購入する場合には、確定申告の際に「買換(代替)資産の明細書」を添付しなくてはなりません。ご自身が該当するか否か、事前に確認が必要です。

▶特例を受けるための条件まとめ

・売却する不動産と購入する不動産は、どちらも事業用であること

・売却する年の1月1日において、不動産の所有期間が10年を超えていること

・不動産を売却した前年から翌年の間に、不動産を購入すること

・新たに購入した不動産は、買った日から1年以内に事業に使うこと

 

またアパートの売却については、自己が居住していた不動産の売却にあたらず、譲渡益が出た場合に下記3つの特例は利用できませんので注意してください。

▶事業用アパート売却において利用できない特例

×3,000万円特例控除

×10年超所有軽減税率の特例

×特定居住用財産の買換え特例

まとめ

このように、アパート売却には専門的な知識やノウハウを要するものが多くあります。

 

経験豊富な不動産会社では、節税対策なども踏まえながら売却のご相談を承ることができますので、信頼できる不動産会社を見つけることは、売却成功の近道といえます。

 

アパートの売却をご検討の方は、ぜひ弊社「S plus home(エスプラスホーム)」へご相談ください。

ご相談はコチラ(https://s-plushome.jp/consultation)から

この記事を書いた人

代表取締役浜谷 卓

一つ一つのお取引を大切にし、必ずご満足のいくサービスをご提案致します。

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