不動産は、早く売りたい場合と高値で売りたい場合で売却方法が異なります。
どちらもメリットとデメリットがあり、不動産そのものや売主の状況に応じて決める必要があります。
本記事では、不動産の売り方である「買取」と「仲介」について詳しく解説します。
不動産を安心して売却する方法を知り、自分にとってどちらがベストか考えてみましょう。
不動産売却における買取と仲介とは
不動産買取とは
不動産買取とは、不動産業者が不動産を直接買い取り、その後販売することです。
不動産を売却したい不動産の売主が、買い手と関わることはありません。
不動産買取には2種類あります。
- 即時買取
- 買取保証
買取の多くは「即時買取」を指します。
不動産業者に連絡を取り、訪問査定を受けます。
査定後は不動産業者が買い取るため、その後に交渉や内覧会は行われません。
「買取保証」は不動産仲介と買取を合わせた方法です。
買取保証では、不動産仲介で不動産の売却活動を行い、買い手が現れなかった場合は不動産業者が買い取ります。
この場合、仲介による販売期間が設定され(通常3ヶ月)、それを超えると不動産業者が不動産を買い取る流れです。
以下のような不動産は、買取のメリットが大きい可能性が高いです。
- 事故物件
- 早く手放さないといけない
- 仲介で1年以上売っている
- 築30年以上(1981年以前の建築)
- 立地条件が悪い
- 新耐震基準に満たない
- 劣化や傷みが激しい
新耐震基準に関しては、国土交通省のサイトからご確認ください。
また、内覧対応や価格交渉が億劫な場合も、不動産買取がベストな選択でしょう。
不動産仲介とは
一方「不動産仲介」とは、売主が不動産業者と契約し、買い手に不動産を買い取ってもらう方法です。
不動産業者は仲介役であるため、不動産業者が不動産を買い取ることはありません。
買い手が現れない場合も、不動産の売却活動は続きます。
一般的な不動産仲介では、売却までに1年ほどかかります。
その期間中は、不動産の売主も売却活動に参加し、売却に向けて動きます。
仲介で売却すべき不動産には、以下の特徴が挙げられます。
- 築5年以内
- 高く売れる可能性が高い
- 立地条件が良い
- 地域で大型商業施設が建つ予定がある
不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)による調査では、「『築浅物件』とは、築何年くらいまでを指すと思いますか?」という質問に対し、8割以上が「5年までの合計」と回答しています。
築年数が5年以内の場合は買い手が現れやすく、仲介でも売れる可能性が高いです。
不動産を急いで売る必要がなく、できるだけ高値で売りたい場合は、不動産仲介がおすすめです。
不動産売却における買取と仲介の違い
不動産買取のメリット・デメリット
条件が厳しい不動産でも手放せる不動産買取ですが、メリットとデメリットがあります。
メリット
- スピーディな取引
- 確実な売却
不動産買取は、何よりスピーディに取引できます。
不動産業者に訪問査定を依頼し、提示された価格に納得すれば、不動産業者が買い取ってくれます。
査定から契約、決済までの流れが速いため、不動産業者への引き渡しまでは1ヶ月程度が目安です。
買い手がいないため取引がスムーズで、不動産を手早く現金にできます。
スケジュールが立てやすく、早めに資金も得られるため、不動産を手放した後に引越しを考えている場合は特にメリットが大きいでしょう。
また、確実な売却であることもメリットのひとつです。
不動産を仲介で売ると、買い手が現れない限り手放すことができません。
その間は税金などの維持費がかかるため、売れないほどに負担はどんどん大きくなります。
デメリット
- 仲介よりも売却価格が低くなる
買取のデメリットは、売却価格が低くなることです。
不動産業者は不動産を買い取った後に、修繕や解体、売却活動を行います。
その費用を確保するため、売却価格自体は低くなってしまいます。
具体的には、不動産仲介で売られている不動産の8割程度、不動産の劣化や傷みがひどい場合は5割程度に設定されます。事故物件の場合はさらに低いです。
不動産の価値が低すぎる場合は、買い取りを断られることもあり得ます。
不動産仲介のメリット・デメリット
相場価格で売却できる不動産仲介には、メリットとデメリットがあります。
不動産仲介は、不動産の立地条件や築年数といった買い手の需要に影響を受けやすいです。
メリット
- 市場価格での売却が期待できる
- 広範な買い手にアプローチできる
不動産仲介は市場価格で売却できる可能性が高く、売却によって多くの資金を得ることができます。
取引が盛んな時期や、地価が上がっている時期に売却すれば、買取よりも更に高く売ることが可能です。
広範な買い手にアプローチできる点もメリットのひとつです。
不動産仲介ではREINS(REINS Market Information)などの不動産情報サイトに、売りたい不動産を掲載します。
全国の不動産購入希望者が情報を検索できるため、リーチできる母数を増やすことにつながります。
買取を選んだ場合、不動産情報はどこにも公開されません。
不動産を売却中であることを知られない代わりに、リーチできる母数はゼロです。
デメリット
- 売却までに時間がかかる
- 取引の不確実性
仲介は「確実に売れる」と言い切れないことが一番のデメリットです。
売却までに約1年かかるため時間と労力が必要な上に、買い手がいない場合は1年以上かかるケースも多々あります。
実績のある不動産業者に依頼したとしても、買い手が現れないこともあります。
買い手に売却できたとしても、不動産に瑕疵が見つかった場合は取引が無効になることも。
売却したい不動産に住んでいる場合は、新居への引越しの予定も立てにくいです。
仲介を選択する場合は「買取より高く売れる」というメリットだけでなく、「いつ売れるか分からない」というデメリットにも目を向けましょう。
不動産売却の注意点
買取価格と仲介価格の差異
買取の場合、仲介に比べて売却価格が低くなる傾向があります。
仲介で売却する価格の8割の価格が一般的です。不動産の状態によっては5割以下になることもあります。
内訳としては、買取価格や転売益、修繕費用、取り壊し費用があります。
不動産の状態によっては修繕費用がかからないこともあり、相場の価格から転売益を差し引いた価格で買い取られます。
以下の表は買取価格の内訳の一例です。
| 不動産の価値が 高い場合 |
不動産の価値が 標準の場合 |
不動産の価値が 低い場合 |
| 転売益 1割 |
転売益 1割 |
転売益 1割 |
| 買取価格 9割 |
修繕費用 | 取り壊し費用 リフォーム費用 |
| 買取価格 8割 |
||
| 買取価格 5割~ |
もっとも買取価格が低い不動産は、事故物件など大きな問題を抱えたものです。
市場価格の1割から2割程度で買い取られる傾向があります。
買取はスピーディに不動産を手放すことができますが、市場価格と比較すると買取価格は低いです。
市場価格が高く、買い手が多いと思われる不動産の場合は不動産仲介を検討するなど、状況に合った取引をしましょう。
物件状況に応じた最適な売却方法の選択
不動産を売却する方法として「買取」と「仲介」がありますが、選び方は不動産の売主と不動産の状況によって異なります。
素早く手放し、現金に変えたい場合は「買取」がおすすめです。
不動産が売却中であることを知られたくない場合も、「買取」が最適といえます。
不動産情報が公開されないため、近所の人にも知られることはありません。
時間や費用に余裕がある場合は、より高く不動産を売ることができる「仲介」がおすすめです。
マーケティング戦略を立てて効果的に売却活動をすることで、市場価格で売れる可能性があります。
ただし、「仲介」では例えすぐに購入希望者が現れても手続きに時間がかかります。
不動産情報サイトへの掲載写真のために外観をきれいにしたり、内覧会のための準備をしたり、さまざまな点から時間と労力が必要です。
買い手と契約した後も、買い手の住宅ローンの手続きなどに更に時間がかかります。
売買契約を結ぶ際や引き渡し日は買い手と日程を合わせるため、不動産が遠方にある場合は交通費も必要です。
信頼できる不動産会社の選定
不動産を売却するためには、信頼できる不動産業者選びが重要です。
不動産業者によっては不当に低い価格で交渉を持ちかけたり、適切な売却活動を行わなかったり、売主が不利になる可能性もあります。
信頼できる不動産業者を選ぶためには、以下の点に着目しましょう。
- 従業員の対応が丁寧
- 相場の価格を理解している
- 宅地建物取引業者免許証を更新している
訪問査定を受ける際には、担当者が丁寧に説明しているか、専門知識があるかなどを確認しましょう。
信頼できる不動産業者を見つける方法には、不動産業者の宅地建物取引業者免許証と番号を確認する、国土交通省のサイトで検索する、などがあります。
不動産業者には全国規模の大手と、地元にある中小企業があります。
それぞれにメリット・デメリットがあるため、売りたい不動産に合った不動産業者選びがおすすめです。
| 大手不動産業者の特徴 | 中小不動産業者の特徴 |
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不動産買取に力を入れている不動産業者や、仲介をメインに扱っている不動産業者など、不動産業者ごとに得意分野があります。
実績をよく確認し、不動産業者を選びましょう。
まとめ
不動産を手放す方法には「買取」と「仲介」の2種類があります。
「買取」は不動産業者が買い取るため、スピーディに不動産を現金にすることができます。
「仲介」は時間がかかる代わりに、市場価格に近い高値で売れる可能性が高い方法です。
自分にどちらが最適なのかよく考えて選択しましょう。
「仲介」を行い、買い手が現れなかった場合は「買取」に変更することも可能です。


