札幌で住まいを移し替える「住み替え」を考えるとき、まず頭に浮かぶのが「売却と購入、どっちを先に進めればいいのか」「住宅ローンの残債はどうなるのか」「引っ越し費用はどのくらいかかるのか」という疑問ではないでしょうか。
北海道の中心都市である札幌は、都市部へのアクセスや生活の利便性が高いエリアも多く、道外からの移住希望者も増えているのが現状です。
そんな札幌で住み替えを成功させるには、計画的なスケジュール管理や費用の見積もりに加えて、地元事情に詳しい不動産業者のサポートが重要なポイントとなります。
本記事では「住み替えの方法とスケジュール」「住み替えにかかる費用とローン」「札幌ならではの売却・購入のポイント」など、実践的な内容を丁寧に解説します。
ぜひ、より良い住環境を手に入れるための参考にしてみてください。
住み替えの方法とスケジュール
住み替えとは
住み替えとは、今住んでいる家を売却または退去し、新しい住まいへ移ることを指します。
戸建てからマンションへの転居や、マンションから戸建てへの乗り換え、あるいは札幌市内の中心部へ移りたい・逆に郊外へ移りたいなど、さまざまな理由が考えられるでしょう。
「ライフステージの変化に合わせて住み替えを検討する」「通勤時間を短くするために都心部に移る」「将来的な資産価値を重視したエリアに転居する」など、各家庭で目的は異なりますが、共通して大切なのは「スケジュールの組み立て」です。
売却と購入のタイミングを誤ると、一時的に仮住まいを余儀なくされたり、希望価格から大幅に値下げして売ることになったりする恐れがあります。
売り先行で住み替える場合
売り先行とは、現在住んでいる住宅を先に売却し、その売却資金を元手に新居を購入する方法です。具体的には以下の流れで進みます。
不動産会社に査定依頼
まずは自宅の相場価格を知り、市場動向を把握します。
複数の業者に査定を依頼すると、比較検討しやすくなるでしょう。
売却活動を開始
媒介契約を結び、実際に売り出しを行います。
内覧対応や宣伝などは不動産会社に一任することが多いですが、売り主として整理整頓やクリーニングなどの準備も必要です。
売買契約の成立
買主が見つかり契約が成立したら、物件の引き渡し日などを調整します。
住み替え先を探す・購入手続き
売却金額が確定したタイミングで、購入できる物件の予算やローンを検討し、新居を探します。
購入手続きにはある程度時間がかかるため、早めのリサーチが大切です。
売り先行のメリットは、資金計画が立てやすくなる点です。
売却代金がはっきりしてから物件を探せるため、ローンが組みやすくなるケースも多いでしょう。
一方で、売却から次の住まいへ引っ越すまでに仮住まいが必要となる場合があるため、引っ越し費用や家賃などの負担が一時的に増える可能性があります。
買い先行で住み替える場合
買い先行とは、新居を先に購入し、その後に現在の住まいを売却する方法です。
主な流れは以下のとおりです。
住宅ローンや予算をシミュレーション
まだ売却が完了していない状態で新居購入のための費用を準備する必要があるため、既存ローンとの兼ね合いを考慮することが不可欠です。
新居を探して契約
気に入った物件が見つかったら、購入契約を進めます。
引き渡し時期やローンの手続きなどを慎重に調整していきましょう。
現住まいを売却へ
新居の契約が完了したタイミングで、今の住まいを売り出します。
二重ローンの負担を軽減するためには、できるだけ早期に売却活動を開始し、適切な価格設定をすることがポイントです。
買い先行の最大のメリットは、希望通りの物件を逃しにくいことです。
「先に良い物件が見つかったので、そのタイミングを逃したくない」という場合に向いています。
ただし、売却がスムーズに進まないと二重ローンが発生し、家計への負担が大きくなるリスクがあるので注意が必要です。
住み替えの費用とローン
住み替えに伴う費用
住み替えには、単に新居の購入代金や賃貸物件の初期費用だけでなく、さまざまな経費がかかります。
たとえば、下記のような項目を想定しておきましょう。
不動産仲介手数料
売却時や購入時に不動産会社へ支払う手数料
リフォーム・ハウスクリーニング代
より高く売るためのリフォームや専門業者による清掃費用
引っ越し費用
荷物の運搬費や新居の内装工事費など
火災保険・地震保険
新居での加入や、既存の契約の更新費用
各種税金
契約時の印紙税や登録免許税、不動産取得税など
特に札幌のように寒冷地ならではの設備(暖房ボイラーなど)が必要な場合、引っ越しと同時に設備費用が発生することも考えられます。
見積もり段階で、こうした初期投資の面も洗い出しておくと安心です。
ローンが残っている場合
元の家に住宅ローンがまだ残っている場合でも、住み替えは可能です。
一般的には、家を売却して得た資金をもってローン残債を完済し、抵当権を抹消した上で引き渡しを行います。
ただし、ローン残高よりも売却額が低い「オーバーローン」状態だと、売却額だけではローンを完済できません。
その場合は、自己資金で補うか、売却前に金融機関と相談して追加でローンを組む選択肢も検討しなければなりません。
住み替え時のローンの扱い
住み替え向けのローン商品として、「住み替えローン」や「つなぎ融資」などがあります。これらは、買い先行で新居を購入する際、旧居の売却資金が得られるまでの間をフォローする仕組みです。
二重ローンに見えるような状態でも、実質的には旧居の売却が完了すれば一部または全部のローンを返済できるので、キャッシュフローが安定しやすくなります。
ただし金利や借入条件は金融機関によって差があるため、複数の銀行やローン商品を比較して、自分のライフプランに合った選択をすることが重要です。
住み替え時に利用できる減税措置
住み替えに際しては、一定の条件を満たすと住宅ローン控除を継続して受けられたり、特例措置の適用で税金が軽減されるケースがあります。
代表的なものに、自宅を売却した際に適用される譲渡所得の特別控除などがありますが、これらの制度は適用条件が細かく設定されています。
例えば、居住用資産として一定期間住んでいたかどうか、家族構成や用途によって控除額が変化するなど、個々の条件により扱いが変わる可能性があるため、税理士や不動産会社に事前に相談するのが良いでしょう。
札幌での住み替えと家の売却に関するポイント
札幌の家の売却と購入のタイミング
札幌で家を売却・購入する際には、一般的な不動産市場の季節要因に加え、道内ならではの気候が影響することも多々あります。
例えば、冬期は積雪により内覧や引き渡しが難しくなる場合がありますし、駐車スペースや除雪の負担なども購入検討者にとって大きな関心事です。
そのため、売却のピークとなりやすい年度末や春先のタイミングを狙うと、比較的スムーズに内覧や交渉が進む可能性が高いといわれています。
ただし一概に「春だけがベスト」とは言えません。
エリアや物件の特徴によっては、秋口から徐々に動き始める層もいるので、市場の動向をこまめにチェックしましょう。
売却方法の選択肢
住まいを売却する方法としては、主に「仲介」「買取」の2パターンがあります。
仲介
不動産会社を通じて、一般の買主に物件を売る方法。買主を探して交渉し、希望価格で売却できる可能性がある一方で、売却までに時間がかかる場合も。
相場より高く売れるチャンスがある反面、状況によっては値下げ交渉を迫られることもあります。
買取
不動産会社が直接、売主から物件を買い取る方法。
短期間で現金化しやすく、内覧対応などの手間も少ないのがメリットです。ただし、仲介に比べると買取価格は相場より低くなる傾向があります。
札幌で住み替えを検討する場合は、「売り先行にしやすいか」「資金計画を確定しやすいか」といった観点でどちらの方法が向いているかを判断しましょう。
時間に余裕があるなら仲介を、急いで資金化したいなら買取を選択するなど、状況に応じて柔軟に考えるのがコツです。
不動産業者選び
住み替えをスムーズに進めるには、地元札幌での実績が豊富な不動産会社を見つけることが大切です。
具体的には、以下のポイントを確認しましょう。
札幌市内での売買実績があるか
市内の相場やエリア特性を把握していないと、的確な価格設定や売却戦略を立てるのは難しいです。
担当者のコミュニケーション力
売主・買主それぞれとのやりとりを円滑に進めるには、担当者の対応力が重要です。
質問にきちんと答えてくれるか、定期的に進捗報告をしてくれるかなどを見極めましょう。
サポート体制
ローンや税金など住み替えに付随する手続きは複雑になりがちです。
金融機関などとの連携体制が整っている不動産会社なら、より安心して任せられます。
札幌の住み替えに関するよくある質問
Q1. 住み替えを検討し始めてから実際に完了するまで、どのくらいの期間が必要?
- 売り先行か買い先行か、物件の種類や市場動向によって大きく変わります。
目安としては、売り先行の場合は売却活動に3~6ヶ月ほどかかることが多いです。
買い先行の場合も同様で、新居の契約から引き渡しまで2~3ヶ月程度要するのが一般的です。
Q2. 札幌での住み替えは冬を避けたほうがいい?
- 除雪や内覧時の交通の問題など、冬は確かに制約が多い季節ではあります。
しかし、ライフステージの都合や転勤時期などとの兼ね合いで、必ずしも冬を避けられるとは限りません。
早めに不動産会社と相談し、現地案内の方法やタイミングを工夫すれば、冬期でも大きな支障なく住み替えを行うことは可能です。
Q3. 二重ローンになってしまう場合のリスクをどうやって回避する?
- 買い先行で新居を購入し、旧居の売却が長引くと二重ローンが発生しやすくなります。
回避策としては、住み替えローンやつなぎ融資を利用する、または仲介ではなく即買取を選択するなどが挙げられます。
状況に応じて選択肢を見比べ、リスクを最小限に抑えることを考えましょう。
Q4. ローンが残っている家を高値で売るコツは?
- 適切な価格設定と物件の魅力を高める工夫が欠かせません。
リフォームやハウスクリーニングなどで印象をアップさせるほか、宣伝方法や告知タイミングも重要です。
札幌特有の防寒対策(断熱改修や窓の性能など)をアピールすることで、買主に高評価を得られる場合もあります。