一般的に「田舎の家は売れない・売れにくい」とされていますが、売るための適切な手順を踏むことで、売却が成功した例が少なくないのも事実です。
また、近年ではコロナ禍によるリモートワークの浸透や地方移住に興味を持つ若者の増加などで、田舎への注目度も高くなってきています。田舎の土地売却を検討するにはチャンスとも言える時期かもしれません。
そこで今回の記事では、田舎の土地を売りたいと考えている方のために、適切な売却手順やポイントをまとめています。
田舎の土地は売れないからとすぐに諦めず、まずはこの記事を参考にしてみてください。
田舎の土地の特徴
田舎の土地には、都市部の土地とは異なる魅力があり、その魅力を把握することは土地の売却にとってプラスに働きます。では、田舎の土地には具体的にどのような特徴や魅力があるのでしょうか?この章でご紹介していきます。
広大な土地面積
一般的に、田舎の土地は都市部に比べて、広大な面積を持つことがほとんどです。この特性から、広い畑をつくれたり、大きな納屋を建てることができるなど、農業や畜産等の活動に適しています。
価格が安い
都心部に比べて人口が少なく、生活インフラや交通の便が制限されたり、ビジネスや住宅需要も少ない田舎の土地は相対的に安価であるという特徴を持っています。
自然環境の豊かさ
田舎の土地の特徴の一つとして、自然環境の豊かさは大きな魅力のひとつです。都市部ではなかなか味わえない清々しい空気や広大な森林、川、湖など、美しい自然が豊富に存在し、自然に触れる機会が多くあります。
田舎の土地の需要
田舎の土地の需要は、近年増加傾向にあります。都会の喧騒から離れ、自給自足の生活や自然体験など、ゆとりのある時間を過ごせる場所として田舎での生活を選ぶ人が増えているからです。この章では、田舎の土地の需要について2つの視点で解説します。
住宅・移住用のニーズ
近年では、都市部から田舎の土地への住宅移住ニーズが増加しています。コロナ禍によるリモートワークの浸透や、自給自足に興味を持つ若者の増加、別荘地として検討など新たなライフスタイルの実現を求める人の魅力的な選択肢となっています。
事業用のニーズ
広大な面積や自然豊かな環境は、介護施設や医療施設、太陽光発電用地など事業用としてもニーズがあります。移住ニーズの増加から田舎の古民家を活用するサービスなども普及してきています。
田舎の土地を売るコツ
田舎の土地をより高くスムーズに売却するためには、アピールのポイントや販売活動のコツを抑える必要があります。この章では、土地の魅力を最大限に引き出す方法や対応について8つのポイントで解説していきます。
土地の魅力を最大限に引き出す
先に解説した通り、田舎の土地の需要が増えている大きな要因の一つは、その景観や静けさ、自然豊かな環境です。売却を考えている土地周辺の、山や川、森などの自然を写真や説明文で強調しアピールしましょう。
地域の特色や資源を活かす
田舎の土地の売却を考える際、地域の特色や観光資源、歴史的背景などは有利に働きます。地元の特産品や文化、風景などを積極的に紹介したり、山岳地帯であれば登山やハイキングができますし、海岸地域であれば海水浴や釣りが楽しめることをアピールできます。
適切な価格設定
田舎の土地の価格は都市部と比べて低い傾向がありますが、土地の状態や将来的な利用可能性などを十分に考慮し、適切な価格設定をすることが重要です。また価格設定は、専門的な知識が必要なことも多く、売却の成功に大きく影響しますので、不動産会社など信頼できる専門家にアドバイスをもらうのがおすすめです。
ターゲット層を明確にする
田舎の土地を求める人は、農業を始めたい人やセカンドハウスを検討している人、自然環境での生活を希望する人など、それぞれ特定のニーズを持っています。売却を考える土地には、どのような需要がありそうか、ターゲット層を明確にし、ニーズに合わせたアプローチを心掛けましょう。
情報の正確性を保つ
購入希望者は、その土地の詳細情報に基づいて購入の判断を下しますので、情報の正確性は非常に重要です。土地の面積や形状、接道状況、利用制限などの情報は、なるべく専門家の助けを借りて測量や調査を行い、正確な情報を得るのがおすすめです。また、土地の所有権や利用制限に関する文書、評価額に関する書類など公的な書類も利用しましょう。
オンラインでの露出を増やす
売却を考えている田舎の土地について、インターネットなどのオンライン露出を増やしましょう。不動産情報サイトの他にも、近年活発なSNSなどのソーシャルメディアも活用することで、都市部や他地域の人々など、より多くの人に情報を広めることができます。
空き家バンクを活用する
空き家を活用したい人と管理者を探している人を結びつけるマッチングサービスである空き家バンクに登録するという方法もあります。空き家を売りたい人と買いたい人をマッチングさせる空き家バンクもあります。
自治体が運営している空き家バンクや、アットホームやライフルホームズなどの不動産情報サイトで運営しているものがあり、それぞれ自宅から全国の空き家情報を調べることができます。
地域の不動産業者との連携
地域に密着した不動産会社は、その地域の市場や相場、ニーズに詳しいことがほとんどです。売却する土地のあるエリアで販売実績は豊富かなどに注目し、不動産会社との連携を深めることで、効果的な売却活動を行うことができるでしょう。
柔軟な対応を心掛ける
需要は増えているものの、一般的に田舎の土地の売却は時間がかかることが多いです。長期的な視点を持ち、柔軟に価格交渉や条件の変更に対応したり、売却のために出来ることを都度行っていくことが大切です。
田舎の土地を売る手順
次に、田舎の土地を売るための具体的な手順について説明します。スムーズに土地を売却するためには、適切な手順を踏むことが大切ですので全体像を把握し、売却を成功させましょう。基本的な手順は下記8つのステップです。
➀測量
土地を売る際には、まず正確な測量が必要になります。売却のために土地の面積や境界線を明確にする必要があるためです。測量は、専門の測量士に依頼する必要があります。
②不動産会社へ査定依頼
できれば複数社に査定依頼をしましょう。提示された査定額の根拠となるデータや理由を説明してもらうことが大切です。
③不動産会社と媒介契約
契約する不動産会社を決める際は、査定価格だけでなく、「こちらの意図を組んでくれるか」「信頼できるか」など担当者の対応力にも注目しましょう。
④販売活動
不動産情報サイトへの掲載や購入希望者への内覧対応など、不動産会社が売却活動を行います。不動産会社は、売却活動について、売主への定期的な報告が義務付けられています。
⑤条件交渉
買主候補が購入を希望する場合は、「買付証明書(購入申込書)」が提出されます。その際、販売価格よりも低い価格で購入したいという価格交渉や条件交渉などがあることもあります。
⑥境界の明示
売主には境界明示義務があり、のちのちのトラブルを防ぐためにも重要な役割を果たします。
売買契約から引渡しまで、最低でも1ヶ月程度期間を設けるのが一般的ですので、引渡しまでに買主に対して行います。
⑦売買契約締結
売主と買主の間で、価格や引渡し時期などの詳細条件を取り決め、不動産売買契約を締結します。この際、売却価格の一部を手付金として買主から受け取ります。
⑧土地の決済・引渡し
買主から手付金以外の残代金を受領し、売主から買主へ土地の所有権移転登記の手続きと、土地の引渡しをし、売却が完了します。
⑨確定申告
土地を売却した際、売却で利益が出た場合には譲渡所得税、土地を無償もしくは無償同然で他者に譲渡する場合には贈与税の課税対象になる可能性があります。その場合、確定申告が必要になることがありますので覚えておいてください。
田舎の土地を売る際の相談先
この章では、田舎の土地を売る際の相談先について2つご紹介します。
土地を売る際には、専門的な知識を多く必要としますので、専門家の助言を受けることはスムーズかつ安全に取引を進めることができます。適切な相談先を選び、信頼できる不動産会社と一緒に土地の売却を進めましょう。
自治体に相談する
市や国が土地を購入するのは、道路や国立病院を建設するなどの公共福祉を目的にすることがほとんどです。そのため、公共福祉のために使用しにくい田舎の土地の売却について、自治体に相談する場合は寄付が前提になります。
地元の不動産会社に相談する
田舎の土地の売却では、地元の不動産会社に相談するのが最適でしょう。田舎の土地の成約事例を確認すると、田舎の土地の売却に大手不動産会社が仲介しているようなケースはほぼありません。
田舎の土地の売却を成功させるために
田舎の土地を売るための、特徴理解やアピールポイント、売却のコツ、手順について解説してきました。
スムーズに損なく売却を成功させるためには、正確な市場価値の把握や需要と供給の理解、そして適切な売却手順を踏むことが大切です。
コロナ禍によるリモートワークの浸透や地方移住や自給自足に興味を持つ若者の増加など、近年は田舎の土地売却を検討するための好機と捉え、一度不動産会社に相談みるのもいいかもしれません。
田舎の土地の売却を成功させるために、売却の仲介を依頼する不動産会社選びも重要です。不動産会社との信頼関係を築きながら、しっかりと計画を立てて売却を成功させましょう。
弊社「S plus home(エスプラスホーム)」では、札幌や札幌近郊の不動産売却の仲介や買取を行っています。
土地売買についてのご相談や査定についても無料で承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。