アパートを相続したら売却がおすすめ！手順や高く売るためのポイントもご紹介

アパートを相続する場合、安易にアパート経営を引き継ぐことはおすすめできません。

相続したアパートの所有は、一見、収益を得ることができる良い機会のように思えるかもしれませんが、アパートの管理や維持には多くの費用がかかります。

修繕や改装、賃貸管理会社の手数料などの費用をはじめ、築年数が経てば経つほど予期せぬ出費につながる可能性もあります。また、入居者のトラブルや空室率の問題など、アパート経営には様々なハードルがあります。これらの費用やリスク、労力を考慮すると、相続したアパートを売却を検討することは合理的な選択肢だと言えます。

本記事では、売却する前にしておくべき準備、売却時の手順、高く売却するためにしておくべきことについて解説しています。

相続したアパートを売却すべき理由

冒頭でも記載した通り、相続したアパートの経営を引き継ぐためには、税金の問題や維持管理の問題など、様々な知識と労力、そして費用が必要になります。

この章では、相続したアパートを売却した方が良い理由として挙げられる代表的なものを２つご紹介します。

相続の際の税金負担

相続したアパートを所有すると、相続税の支払いが必要になります。相続税は、相続財産の価値に基づいて課税されるものであり、その額はかなり高額になる可能性があります。特にアパートの価値が高い場合には、相続税の負担も大きくなります。さらに、相続税の計算や節税対策は複雑で適切な対応が求められます。相続アパートを売却することで、相続税やそれにかかる労力の負担を軽減することができます。

管理の難しさと費用面

アパートを所有し管理していくためには、専門知識や維持費が必要になります。修繕費やメンテナンス費、管理費などの費用をはじめ、入居者の募集やトラブル対応などの手間も考慮しなくてはいけません。特に、築年数の古いアパートは経年劣化を起こしやすく、多額の費用がかかる可能性が出てくるため注意が必要です。もちろん、管理業務を外部に委託する選択肢もありますが、それなりの費用がかかります。アパートを売却することで、このような負担やリスクを負わなくても済みます。

相続したアパートを売却する前にやっておくべきこと

相続アパートの売却を検討し始めたら、売却前にいくつか確認すべきポイントがあります。

売却前に確認することで、売却するタイミングを間違ったり、もっと高く売却できたのに損をしてしまったなどのリスクを回避できます。
アパートの売却前には必ず、以下の3つのポイントを確認しておきましょう。

不動産の価値を正確に知る

アパートの価値を適切に把握することは、売却の際の価格設定や交渉の基盤となります。不動産査定や周辺の相場調査、長期的な投資価値などを考慮し、アパートの価値を適切に評価します。専門的な知識が必要になりますので、まずは信頼できる不動産会社に査定依頼をすると良いでしょう。売却価格を適切に設定することで、スムーズな売却が実現し、満足のいく取引につながります。

必要書類の整理

相続したアパートを売却する際には、さまざまな書類が必要になります。相続登記が済んでいれば、その後の売却に必要になる書類は、通常の不動産売却と同様です。登記簿謄本や固定資産税評価証明書など、不動産会社に必要書類を確認し、事前に取得しておくことで、スムーズな売却手続きができます。売却を検討している方は、早めに必要書類の用意に取り掛かりましょう。

アパートの所有期間の確認

アパートを含む不動産の売却を行うと、売却益（譲渡所得）に対して譲渡所得税が課税されます。譲渡所得税は、その不動産の所有期間により税率が異なるため、必ず売却前に所有期間の確認を行うことをおすすめします。

譲渡所得税の税率は、売却した年の1月1日時点で不動産の所有期間が「5年を超えているか否か」により決まります。

例えば、譲渡所得が800万円の場合、不動産譲渡所得税は下記のようになり、所有期間が異なるだけで大きな差が出ることがお分かりいただけると思います。

相続したアパートの所有期間が3〜4年程度であれば、5年を超えるまで待って売却したほうが、最終的な利益は大きくなる可能性が高いですが、一般的に不動産の価値は所有期間が延びるほど下がります。
相続したアパートの価値と、所有期間が5年を超えるタイミングで予想される価値を比較し、最終的に多くの利益が得られる時期で売却を進めるのがいいでしょう。

判断には専門的な知識が必要になりますので、不動産仲介会社へ相談し、適正に査定してもらうことをおすすめします。

相続したアパートの売却手続きの手順

アパートの相続手続きが済んでから売却する手順は、基本的に通常の不動産売買と変わりません。以下、大きく分けて３つの手順で進めていきます。

売却するタイミングを検討する

前章で解説しましたが、所有期間で税金が大きく異なるように、相続してから売却するタイミングによって、多く税金をかかってしまうなど損をする可能性があります。

不動産の売却には専門知識が多く必要になり、ご自身でベストな売却タイミングを判断するのは難しいと思います。特に、不動産売却は大きな金額が動く取引ですので、思わぬトラブルで売却のタイミングを逃してしまうなんてこともあるでしょう。

売却のベストなタイミングを判断するためには、早めに不動産会社へ相談するのが近道です。相続したら売却することを決めていなくても一度相談しに行き、リスクを減らしましょう。

不動産業者に依頼する

不動産会社の選定は、売却を成功させるための大きな鍵となります。まずは複数社にアパートの査定を依頼しましょう。査定額は、不動産会社や査定方法によって異なるため、査定価格や査定の根拠を比較することが大切です。査定してもらうことで相場価格を把握できるほか、不動産会社の対応力なども見極めることができます。

複数の不動産会社に査定をしてもらい、査定が出揃ったらどの会社に売却を依頼するか選定しましょう。選定の際のポイントは下記です。

・アパート売却の実績があるか

・売却活動について幅広いアイディアを持っているか

・的確なアドバイスをしてくれるか

・依頼者(売主)の意向を聞いてくれるか　　　　など

特に、アパートの購入を検討する主な買主候補は「不動産投資家」になりますので、居住用不動産の売却等とは買主のターゲット層が異なります。アパート経営に関する知識も必要になってくるため、アパートを売却した実績がある不動産会社と担当者を選ぶことが大切です。

売却契約と移転登記を完了させる

アパートの買主候補が見つかり、価格や引き渡し時期などの条件に合意をしたら、不動産売買契約を締結します。

売買契約は、一般的に売主・買主・それぞれの担当不動産会社が集まって行い、重要事項説明書などの読み合わせ、署名捺印を行います。売買契約が成立すると、買主から手付金を受け取り、売主は引き渡しの準備を始めることになります。

引渡し日に向けて水道光熱費など契約の解除が必要なものがあれば手続きが必要です。

売買契約後の決済は「残代金の授受」と「アパートの引渡し」を行うもので、売主から買主へアパートの所有権移転登記の手続きと、アパートの鍵の引渡しをします。

決済当日中に司法書士が登記申請手続きを行い、不動産の登記事項証明書（登記簿謄本）に売買の記載がされ、アパート売却は終了です。

相続したアパートをできるだけ高値で売却するためにできること

相続したアパートを出来るだけ高く売却するために、事前に対策しておくことが大切です。

すぐにでも出来る２つの対策をご紹介します。

定期的な点検・メンテナンス

アパートを購入する買主にとって、検討ポイントの１つになるのは、老朽化に伴う修繕リスクです。小さな不具合や故障を放置せずすぐに修繕するなど、定期的に点検やメンテナンスを行うことで、できるだけ修繕の必要がない状態にしておくことが重要です。

また、空室や滞納が少ない状態を維持することも、アパートを高く売るために欠かせないポイントの１つです。空室リスクや入居者信用リスクが高いことは、購入希望者からすると購入後の経営不安につながります。

しかし、ここで注意が必要なのは、入居率を上げるために家賃を下げることです。家賃収入が下がると利回りも下がるため、投資物件としての価値が低下し、結果的に売却しづらい状況につながります。入居率が売却の課題点になるようなら、まずは管理会社や不動産会社に相談すると良いでしょう。

適切な価格設定と販売戦略

価格設定は、売却の成否を左右する重要な要素のひとつです。相場に比べて価格設定が高すぎると購入希望者が寄り付かず、低すぎると村をしてしまう可能性があります。

売主の心理としては、できるだけ高く売りたいと思うものですが、市場の相場価格を無視した設定にすると、結果的に売れるタイミングを逃してしまい、結局年月が経って大きな損失につながってしまったなどの事態に陥りかねません。アパートの状態や価値に見合っているか、市場の相場から考えてどうかなど、ノウハウをもった不動産会社と相談しながら価格設定をすることが大切です。

相続したアパートの売却を成功させるために

相続したアパートの売却について解説してきました。不動産売却の中でも、アパートの売却は大きなお金が動く取引です。専門的な知識も多く必要になりますので、まずは信頼できる不動産会社を選定することが重要です。不動産会社にアドバイスをもらいながら、スムーズで損のないアパート売却を実現させましょう。弊社「S plus home(エスプラスホーム)」では、札幌や札幌近郊の不動産買取・仲介を行っています。アパート売却のご相談や査定についても承っておりますので、お気軽にご相談ください。