家を売却する際、家具の処分は思った以上に大変な作業です。
中には自力で移動できない家具もあり、どうすべきか悩んでいる方もいるでしょう。
この記事では、家を売却する時の家具の取り扱いについて、処分や売却の具体的な方法を解説します。
家売却時の家具の処分とは
家を売るときに「家具をどうしよう」と悩む方は多いです。
「家具付きの家の方が高く売れそう」と考えるかもしれませんが、実際はそうではありません。
家具は付加価値にはならないため、家の売却において家具を残すメリットはないのです。
それでは実際にどんな処分方法があるのでしょうか。
家を売る際の家具の処分
家具の処分には「ごみとして処分する」か「中古品として売却する」のふたつの方法があります。
しかし、家具は長年使っていても壊れにくく「古いけどまだ使える」という状態が多いため処分と売却の判断が難しいケースが多いです。
さらに、椅子、ベッド、テーブル、たんすなど家具の種類によって処分方法が異なります。
売却できる”価値ある家具”を誤って処分しないよう、家具の価値査定や売却方法を学び、賢く家具を手放しましょう。
家具の価値
家具は種類や状態によって売却が可能です。
ごみとして処分する時には費用が発生しますが、売れば現金に替えることができます。
処分にかかる費用を抑えるだけでなく、少しプラスにできる可能性は大いにあるのです。
売却して値が付く家具には、以下のような特徴があります。
- ブランド物である
- しっかり機能する
- 破損がない
- 使用感や傷が少ない
さらに、以下の家具も状態が良ければ売却できます。
- デザイナーズ家具
- ブランド家具
- アンティーク家具
- ベッド
- テーブル
- タンス
- ソファ
- 食器棚
- 冷蔵庫
- 電話機
劣化や傷が目立つ場合は値が付きづらいですが、ブランド物やアンティーク物は売れる可能性が高いです。
一方、すべての家具を処分する必要はありません。
特に以下の3つはものは「買い手がすぐに住むための助けになる」という理由から、処分する必要がない場合もあります。
- 照明器具
- 冷暖房設備
- 時代遅れではない給湯設備
ただし、古すぎる・故障している・正しく機能しない場合は処分しておきましょう。
家具の処分方法
家具の処分方法には、以下のような方法があります。
- 再利用する
- ごみとして処分する
- リサイクルショップに出す
- 寄付する
- 個人で販売する
1.家具を再利用する
もっとも簡単な方法が、再利用することです。
売却できなくても、使用に問題がない家具はたくさんあるでしょう。
愛着のある家具や新たに買う予定の家具は、引越し先に持って行ったり、知人や友人に譲ったりして再利用すると良いでしょう。
- メリット:売却する手間がカットできる
- デメリット:運び出す手間がかかる
2.家具をごみとして処分する
ごみとして処分すると、一度に多くの家具を手放せます。
小さな家具であれば運搬も楽ですし、処分の費用や労力も少なくて済みます。
お住まいの市町村で粗大ゴミとして出したり、廃品回収業者に依頼したりできます。
- メリット:確実に手放せる、家の前で回収してくれる
- デメリット:費用がかかる
3.家具をリサイクルショップに出す
リサイクルショップに出すと、持っていくだけで一気に家具を手放せます。
処分の費用を抑えるだけでなく、現金を得ることも可能です。
- メリット:すぐに現金を得られる
- デメリット:買取不可の家具がある、リサイクルショップまで運ぶ必要がある
4.家具を寄付する
家具は寄付することもできます。
家具の寄付は様々な団体が受け付けており、ホームレスや生活が難しい人、支援が必要な国の人が再利用する仕組みになっています。
- メリット:社会貢献できる
- デメリット:寄付できない家具もある
5.家具を個人で販売する
家具を個人で販売すると、自分の売りたい価格で家具を売れます。
フリーマーケットに出店したり、メルカリやヤフオクなどのオンラインサービスに出品する方法があります。
- メリット:販売価格を自分で決められる
- デメリット:出店・出品する手間がかかる、すぐに売れるとは限らない、大型家具は運搬や郵送が大変
個人で販売する際は、家具の価格だけでなく送料も考慮して値段設定をしてください。
家具を売却する場所
家具を売るためのオンラインプラットフォーム
家具は、メルカリやヤフオクなどのオンラインで売ることができます。
その他にも、オンラインで予約すれば専門業者が家まで来てくれる「出張買取」もあります。
- おいくら:ネットで家具の買取査定を見積もれる
- セカンドストリートのWeb宅配買取:段ボールに詰めて送るだけで買取してもらえる
- オフハウスのオファー買取:出品すると全国のハードオフ店舗から買取希望が届く
オフハウスの「オファー買取」は、アプリで買取を依頼するオンラインプラットフォームです。
家具の情報を入力すると、ハードオフグループの各店舗が査定し金額を提示、その後スタッフが買い取りに訪問します。
幅広いものが買取対象ですが、以下のものは対象外です。
- 梱包後のサイズの合計が160cm以上
- 品物の重量が25kg以上
- 出品画面のカテゴリ選択に無い品目
- 不良品
大型家具は送料や運搬が難しいため、このあと解説するリサイクルショップなどがおすすめです。
リアルな家具売却の場
実店舗で家具を売りたい場合は、以下の選択肢もあります。
- リサイクルショップ
- コンサイメントショップ
- オークションハウス
リサイクルショップでは、日用品から家具や家電、衣類や書籍まで幅広いものを売買しています。
家具だけでなくその他の日用品や家電、書籍なども一緒に処分したい場合は、大きなリサイクルショップに持っていくと良いでしょう。
リサイクルショップはその場で現金に交換できるので、とてもシンプルで分かりやすい仕組みです。
一方、コンサインメントショップは持ち込まれた中古品に売り場を提供する委託販売のお店です。
家具を持ち込むと、手数料や委託料といった費用をコンサインメントショップに支払う必要があります。
委託販売にかかる手数料は、委託するお店や家具の大きさによって異なりますが、販売価格の20%~60%です。
委託販売のお店であるため、家具が売れない場合は手数料などの費用が高くなることがあります。
最後に、オークションハウスは中古のものを販売する業者が、在庫を調整するために利用する販売の場です。
車や時計、絵画といった高額なものから中古の衣類まで、さまざまな商品が売られています。
オークションに参加するには古物商許可証が必要です。参加条件などがあるため、一般の人は参加が難しいといえます。
家具売却の注意点
家具の評価
家具を売却する場合は、複数の家具買取サービスに査定を依頼しましょう。
お店によって査定額が大きく異なったり、買取不可能だった家具が別のお店で買い取ってもらえることもあり得ます。
家具の評価は簡単ではありませんが、以下のような家具は評価が低くなりやすいです。
- 傷や使用感、汚れが目立つ
- 時代遅れ
- 量産されている
- 組み立て式
買取業者が買い取る基準は「買い手が存在するか」です。
希少価値が低く、比較的安価で購入できる家具は買い取られにくい傾向があります。
組み立て式は、組み立てる人によってクオリティが異なるため、買い取りを断られやすいです。
また、古くて希少価値があるアンティーク家具は、リサイクルショップやリユースショップに持っていくよりも、骨董品を取り扱っているお店に査定を依頼しましょう。
家具への評価方法が変わるため、高く買い取ってもらえる可能性があがります。
家具売却のための交渉術
スムーズに家具を売却するためには、いくつかテクニックが必要です。
買取業者から査定を受け取ったとしても、交渉次第で査定価格を上げることができます。
買取業者との交渉では、以下のようなことに注意しましょう。
- 丁寧な態度で接する
- 買取業者にとってのメリットを提示する
- 売りたいという意志をはっきりと口にする
- 買取業者の「買取強化中」の家具を調べておく
- 家具を磨いたり掃除したりして、見た目を良くしておく
売却価格を上げるためには、売りたい家具を綺麗な状態にしておくだけでなく、買取業者との関係性作りも大切なのです。
一方で、以下のような状態は避けましょう。
- 高圧的な態度をとる
- 対面ではない買取方法を選択する
- 相場より高すぎる金額を提示する
- 売却よりも処分が目的であることを口にする
家具の処分が目的だと分かると、買取業者は価格を低く査定するかもしれません。
威圧的な態度で相場よりも高額な売却価格を提示しすると、買取業者内でマークされてしまう可能性もあります。
複数業者で査定を取り、相場を踏まえた上で交渉しましょう。
家売却が成功する家具の整理法
家の売却には、家具の整理を含めて様々な準備が必要です。
家具は、不動産業者や買取業者に家の査定を依頼する前に処分してください。
家具がないだけで家の広さや清潔感の感じ方は異なるため、結果的に家の査定額に良い影響を与えます。
ここでは家具売却を自分で進める方法からプロに任せる方法まで解説していきます。
チェックリストの作成
家に残っている家具は、家の売却前に片付ける必要があります。
家具の売却は、以下の手順で進めるとスムーズです。
- 片付ける部屋や場所の順番を決定する
- ごみとして処分するか、売却するかを決める
- 売却する家具を掃除・きれいにする
- 査定や回収の予約を入れる
家具のチェックシートを作り、ごみとして処分するもの・売却するものを分けておくと便利です。
処分する場合も、売却する場合も、複数点まとめて依頼するとお得になる傾向にあります。
優先順位が高い部屋は、大型の家具や家電のあるキッチンやリビング、不用なものを収納している物置です。
まずは大きな家具や不要だと判断しやすい家具から処分を始めましょう。細かなものの処分から始めると、労力や時間を多く使ってしまいます。
オンラインで売る場合は、新生活前のタイミングを狙うと高値がつきやすく、比較的売れやすいです。
プロの助けを借りる場合のメリット
家具の処分や売却は、専門業者に依頼することもできます。
特に売りたい家具がある場所(売却する家)が遠い場合は、業者に頼むことで時間と費用を節約できます。
家一軒分の家具を処分・売却する場合、以下の作業が発生します。
- 車で荷物を運ぶ
- 家具や家をきれいに掃除する
- 自治体のごみ袋や粗大ごみシールなどを購入する
- 出張買取などの予約日時に合わせて家で待機する
- 自治体や業者に連絡して、予約日時に家で待機する
- 決められた日時に可燃ごみや不燃ごみ、粗大ごみを出す
家具を売ることは一日で済みますが、売却の準備も含めると多くの時間と労力がかかるのです。
さらに、家具はすぐに売れるとも限らないため、遠方の場合は滞在費や交通費などもかさみます。
その点、家の片付けに特化した不用品回収業者に依頼すると、家具や家電の処分や回収、不用品の買取、廃品回収などをすべてまとめてやってくれます。
家具ごとに処分費用を決めている業者もあれば、トラック1台に積み放題にしている業者、一部屋に対して処分費用を決めている業者など、さまざまな選び方ができます。
業者に依頼すると一日で完結するため、大幅に手間を省けるというメリットがあります。
まとめ
家の売却に、家具の処分は欠かせません。
家の面積や部屋の数によって処分する家具は様々ですが、一人で運べない大型家具もあります。
本記事を読みながら家具の処分にかけられる時間や労力を考え、最適な方法で家具の処分を行いましょう。
適切に家具を処分することで、家の売却に良い影響を与えるだけでなく、処分費用の節約やプラスの収入を得ることもできます。