空き家のこと

2024.01.10

空き家の増加、なぜ問題とされるのか?危険性や解決方法について解説

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空き家問題の重要性は、近年の都市計画や社会経済に大きな影響を与えています。

空き家が増加する背景には様々な要因があり、これらが引き起こす問題は多岐にわたります。

空き家が問題とされる理由は、その存在が地域の安全性、環境、さらには不動産市場に悪影響を及ぼす可能性があるためです。

放置された空き家は、荒廃や犯罪の温床となり得ます。また、地域の景観を損ない、周辺の不動産価値を下げる原因にもなります。

本記事では、空き家問題の原因から生じる課題、そしてそれに対する解決策について探求します。

読者の皆様には、この広がりつつある問題に対する理解を深めていただくと共に、具体的な行動へとつながる情報を提供します。

空き家とは

空き家とは、一定期間、人が住んでいない家屋のことを指します。

これには、単に利用されていない家だけでなく、長期にわたって居住されていない家も含まれます。

空き家の種類には、一時的に使用されていない家、売却または賃貸を目的として空けられている家、または放置されて荒れ果てている家などがあります。

それぞれの種類によって、地域や社会に与える影響も異なります。

例えば、一時的に使用されていない家は、再利用の可能性がありますが、放置され荒れ果てた家は治安の悪化や近隣の不動産価値の低下につながることがあります。

また、賃貸や売却を目的とした空き家は、市場の供給過剰に繋がることもあります。

日本における空き家の現状

日本では空き家の数が増加しており、国内の住宅総数に占める空き家の割合も高まっています。

この状況は都市部と地方を問わず見られ、特に地方では高齢化や人口減少による影響が顕著です。

日本の空き家の割合は、平成30年の総務省の統計によると13.6%、約848万9千戸に上り、過去最高を記録しています。この数は昭和38年から増加傾向にあります。

空き家の内訳は賃貸用が432万7千戸、売却用が29万3千戸、別荘等の二次的住宅が38万1千戸、その他が348万7千戸となっており、その他には長期不在の住宅や取り壊し予定の住宅などが含まれます。

空き家の増加は、地域の治安悪化や景観の低下、更には不動産価値の減少につながることが懸念され、社会的な課題として危機感を持つ必要があります。

空き家が増える原因

人口減少と高齢化

人口減少と高齢化は、空き家増加の直接的な原因となっています。

日本の人口が減少し、少子高齢化により2008年をピークに減少傾向にあります。

また、高齢化により、一軒家を維持できなくなる高齢者が増えており、これも空き家増加に影響しています。
さらに、家族構成の変化や一人暮らしの増加も影響しており、これらの要因が複合的に作用して空き家問題が深刻化しています。

これらの社会的変化が、空き家問題の拡大を引き起こしています。

過疎化と地方の若者の都市部流出

日本の地方では過疎化が進み、若者が経済的な機会を求めて都市部へ流出しています。

特に若い世代が都市部へ移動することで、地方の空き家が増えています。

若者が地方を離れることで、地域の人口が減少し、家屋の需要が低下しているのです。

この傾向もまた、地方の空き家問題の深刻化に大きく寄与するとともに、若い世代の不在は、地方の活力の低下にもつながり、さらに空き家問題を悪化させているのです。

相続問題と所有権の複雑化

相続問題もまた、空き家の増加に大きく関わっています。

所有権の複雑化や相続放棄の増加は、空き家問題を悪化させています。

例えば、複数の相続人がいる場合、所有権の明確化が困難になり、その結果、物件が放置されることがあります。

また、維持管理の費用や税金の負担を避けるために相続放棄を選択するケースも増えています。

特に、修繕が必要な老朽化した家屋の場合、維持にかかるコストが高く、相続人がこれを負担することを避けるために相続放棄を選択するケースが増えています。

 高い税額

固定資産税などの税金は、空き家問題に影響を与えています。

特に、空き家に対しても税金が課されるため、所有者にとって負担が大きくなることがあります。

空き家の土地は、建物が存在することで固定資産税が優遇されますが、空き家を取り壊して更地にすると税金が大幅に増加します。

このため、税金の面から見ると、建物をそのまま残しておく方が経済的に有利と判断する人が多いのです。

高い税金は、特に経済的に余裕のない所有者が空き家を手放せない一因となっている場合があり、このような状況が空き家問題をさらに深刻化させています。

空き家が引き起こす問題

犯罪等の地域の安全性低下

空き家は犯罪の温床になり得るため、地域の安全性に悪影響を与える可能性があります。

放置された空き家は、不法侵入や窃盗、放火、詐欺などの犯罪行為の対象となりやすく、これが地域の安全性を低下させることにつながります。

放火は、発見が遅れやすく、大規模な被害につながることがあります。

暴行や殺人では、人目につきにくい空き家が犯行現場として選ばれることがあります。

また、詐欺の取引場所や大麻栽培の場所としても利用されることがあり、これらの犯罪が地域の安全性を脅かしています。

また、空き家は不審者の不法侵入にも気づきにくいです。

空き家が犯罪発生の原因となることで、地域住民の安心感や生活の質が損なわれることもあります。

不動産価値の低下

空き家が多い地域では、その地域全体の不動産価値が低下する傾向があります。

空き家が増えることで、周辺環境が悪化し、住宅地としての魅力が減少しまうためです。

老朽化や荒れた外観の空き家が近くにあると、売却時に環境的瑕疵として告知義務が発生し、購入者の興味を失わせる可能性があります。

近隣の空き家の存在により、不動産の売出し価格が大幅に下落する事例もあります。

これらの要因が地域全体の不動産価値の低下に繋がり、周辺の家屋の価値が下がった結果、地域全体の経済的な価値が低下する可能性があります。

廃屋による景観の悪化

放置された空き家は、観光地や住宅地の景観を大きく損ねます。

放置された空き家が住宅地に及ぼす影響として、居住の質の低下が挙げられます。

荒廃した建物や手入れされていない庭は、地域の美観を損ねるだけでなく、住民の生活環境にも悪影響を及ぼします。

例えば、見た目の悪さや不衛生な状態が、住民の心理的な不快感やストレスを引き起こし、快適な生活環境を損なうこともあるでしょう。

 

観光地においては、観光客が訪れる歴史的な町並みや自然美が売りの地域で、荒れ果てた空き家が目立つケースがあります。

これらの空き家は、観光客にとっての魅力を低下させ、地域のイメージを損ねることにつながります。

観光地における景観は、訪問者の印象や満足度に直結するため、観光客の減少に繋がるなど空き家問題は特に深刻な影響を与えることがあります。

景観の悪化は、地域の魅力を減少させ、長期的な経済的影響を及ぼす可能性があります。

事故・火災リスクの増加

空き家はまた、事故や火災のリスクを高める可能性もあります。

老朽化した建物や不十分なメンテナンスは、構造的な危険や火災の発生リスクを増加させることになります。

例えば、電気設備の老朽化や不法侵入が火災の原因となることがあります。

2022年(令和4年)の消防庁の統計によると、火災の総数は36,314件で、そのうち3,710件が放火または放火の疑いによるものです。

このデータは、空き家が公共の安全に及ぼす潜在的な危険性を浮き彫りにしています。

放火されやすい家には特定の特徴があります。

電気が消えており人の気配がない、燃えやすい物が多いなどが含まれます。

空き家はこれらの特徴を満たしているため、放火のリスクが高まります。

自然発火のリスクもあり、特に電気設備に注意が必要です。

空き家を相続した場合、設備や器具を把握し、事故のリスクを低減するための早期の確認が重要です。

空き家問題の解決策

空き家対策特別措置法に基づく取り組み

空き家を所有すると、固定資産税の支払いが必要ですが、建物があると土地税が減額される特例があります。

しかし、空き家を解体し更地にすると、この特例が適用されず税金が増加します。

2015年の空き家対策特別措置法施行後は、「特定空き家」に指定されると特例が適用されなくなりました。

そのため、空き家の所有が問題になる前に売却することが望ましいです

空き家対策特別措置法では、自治体が空き家の情報収集と管理を行うことが可能となります。

これには空き家の調査や固定資産税情報の内部利用が含まれます。

また、空き家及びその跡地の活用促進や、データベースの整備、法定協議会の設置も施策に含まれます。

空き家バンクの活用

空き家バンク制度は、空き家を有効活用するためのシステムです。

空き家バンクは、自治体が運営しており、空き家の所有者と利用希望者を結びつけています。

自治体が空き家の情報を集め、賃貸や売却を希望する人に提供します。

登録料や利用料も無料で利用することができます。

従来の不動産会社は営利目的での取り組みに限界がありましたが、空き家バンクは非営利で、空き家活用に積極的な利用者にとって有用な選択肢となっています。

この制度を利用することで、買い手は住宅を手頃な価格で手に入れることが可能になります。

実際に、この制度を通じて住宅を入手した人々は、コスト削減や地域社会への貢献などのメリットを感じることができるでしょう。

空き家の売却

空き家を売却するメリットは、維持管理の負担軽減や現金化できることにあります。

空き家を所有していると、固定資産税の支払いが伴い、管理できない場合はリスクが生じます。

また、特定空き家に指定されると税額が増加する可能性もあります。

売却すれば、これらの負担から解放されます。

売却方法には不動産会社を通す方法が一般的ですが、難しい場合、空き家バンクで0円売却も選択肢です。

これにより、空き家を所有するデメリットから解放されます。

不動産買取業者は、条件に応じて柔軟な対応が期待できるため、空き家の売却を考える際には有力な選択肢の一つです。

様々な条件に慣れている業者であれば、スムーズな取引が可能となり、売却に関わる手間や時間を節約できます。

まとめ

空き家問題は、人口減少、高齢化、相続問題などが原因で、地域の安全性低下や不動産価値の減少などの問題を引き起こしています。

対策として、空き家対策特別措置法に基づく自治体の取り組みや空き家バンクの活用、売却などが有効です。

これらの対策を通じて、空き家問題の解決に向けてきちんと向き合う必要があります。

また、放置された空き家には多くのリスクが伴います。

火事や犯罪などのトラブルが発生する可能性があり、所有者にとって大きな問題となることがあるでしょう。

もし空き家をお持ちであれば、自治体が提供する支援制度を活用し、空き家問題を解決することを検討してみてください。

この記事を書いた人

代表取締役浜谷 卓

一つ一つのお取引を大切にし、必ずご満足のいくサービスをご提案致します。

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