相続のこと

2022.09.04

空き家の相続にはどんな税金がかかる?3,000万円控除の特例も詳しく解説

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こんにちは、札幌の不動産会社「S plus home」の浜谷です。

 

近年、相続した不動産が空き家状態のまま放置されてるケースが増えており、どのように対処すればいいのかお困りの方も多いのではないでしょうか?

 

空き家をそのまま所有するにしても売却するにしても、様々な税金がかかりますが、税額を控除できるような特例もあります。

 

今回の記事では「空き家の相続に関わる税金」について、ひとつずつ出来るだけ分かりやすく解説していますので、空き家をどうしていくのか検討材料としてお役立てください。

空き家を相続における課税の可能性がある税金

空き家を相続した際には、そのまま所有するか、売却するかなど検討されることと思いますが、それぞれの場面で下記のような税金が課せられることになります。

この章では、空き家に対して課税される可能性がある税金について、詳しく解説していきます。

 

①     空き家相続時の税金 相続税・登録免許税
②     空き家売却時の税金 所得税・住民税
③     空き家所有の税金 固定資産税・都市計画税

 

①空き家相続時の税金【相続税】

相続でお金や家・土地などの財産を受け継いだ場合、その受け取った財産には「相続税」が課税されます。

相続税は、財産を相続した際に必ず課税されるとは限らず、相続した財産の額から借金や葬式費用等を差し引いた後の金額が基礎控除額を上回るときに課税されます。

 

この基礎控除の額は「3,000万円+(600万円×法定相続人数)」で計算します。

 

例:相続人が被相続人と配偶者と子2人の場合→法定相続人は3人

3,000万円+(600万円×3人)=基礎控除額4,800万円

※この場合、相続した財産の額が4,800万円以下であれば、相続税は課税されません。

 

また、被相続人の住居などに使われていた宅地については、一定要件を満たす場合に「小規模宅地等の特例」が適用され、相続税の負担を軽減することができます。

①空き家相続時の税金【登録免許税】

相続で家や土地などの不動産を取得したら、亡くなった人の名義で登記されていた不動産を自分の名義に変更する「相続登記(所有権の移転登記)」を行う必要があります。その際に課税されるのが「登録免許税」です。

 

相続登記の登録免許税は「不動産の固定資産税評価額×0.4%」で計算できます。

 

例:固定資産税評価額1,000万円の不動産の場合

1,000万円×0.4%=登録免許税 40,000円

※遺言によって相続人以外の人が不動産を相続した場合には、登録免許税の税率が2.0%になります。

 

②空き家売却時の税金【所得税・住民税】

相続した不動産を売却して利益が出た場合、その利益に対して「譲渡所得税」と「住民税」が課税されます。

譲渡所得税の税率は、その不動産を所有していた期間によって下記のように異なります。

 

相続不動産の所有期間 譲渡所得税率 住民税率
所有期間が5年を超える(長期譲渡所得) 15.315% 5%
所有期間が5年以下(短期譲渡所得) 30.63% 9%

※相続した不動産の場合の所有期間は、実際の所有期間が5年を超えるかどうかではなく、売却した年の1月1日時点で5年を超えるかどうかで判定します。

 

相続した実家を売却する場合、被相続人の親が実家を所有していた期間も含みます。

そのため、相続直後の売却だとしても親が5年以上その不動産を所有していれば、長期譲渡所得の税率が適用されます。

 

なお、空き家を売却した場合には、算出した譲渡所得から最大で3,000万円を控除できる「空き家の譲渡所得3,000万円控除の特例」が適用されます。(次章にて詳しく解説しています。)

 

③空き家所有の税金【固定資産税・都市計画税】

相続した空き家を含む不動産を所有していると、毎年「固定資産税」や「都市計画税」が課税されます。

 

固定資産税は、毎年1月1日時点での家や土地などの固定資産を所有する人に課税される税金です。

一方、都市計画税は、都市計画法による市街化区域内に不動産を所有している人に毎年課税される税金です。

 

固定資産税の計算式は「固定資産税評価額×1.4%」、都市計画税は「固定資産税評価額×0.3%」となっています。

住宅用地に関しては、以下のような減額特例が適用になります。

 

【住宅用地の減額特例】

区分 固定資産税 登録免許税
小規模住宅用地(200㎡以下の部分) 評価額×1/6 評価額×1/3
一般住宅用地(200㎡を超える部分) 評価額×1/3 評価額×2/3

 

例:面積200㎡、評価額1,200万円の宅地の場合

・固定資産税 1,200万円×1/6×1.4%=28,000円

・都市計画税 1,200万円×1/3×0.3%=12,000円

 

このように、家が建っていることで住宅用地として減額特例が適用になりますが、家を解体して更地にすると、解体費用がかかるだけでなく、減額特例が適用されなくなりますので固定資産税の負担も増えることになります。

特定空き家に指定されると固定資産税が最大6倍に!

2015年に空き家対策特別措置法が制定され、これにより所有する空き家が「特定空き家」に認定されてしまうと、固定資産税を最大6倍課されてしまう懸念や行政処分として強制解体され、その費用を負担しなくてはいけなくなる可能性が出てきます。

 

(特定空き家については特定空き家とは?指定される条件や注意点・対策をまとめて解説!」をご覧ください。)

空き家を売却するときの税制特例

前章でも解説した通り、不動産を売却して利益が生じた場合に通常は譲渡所得税がかかりますが、空き家の売却の場合は一定の要件を満たすと「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」が適用されます。

 

この特例が適用されると譲渡所得から3,000万円を控除することができ、例えば3,000万円で空き家を売却したとすると特例が適用された場合、税金は0円になります。

 

この章では、譲渡所得の計算式や「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」の適用要件について解説していきます。

【譲渡所得の計算式】

譲渡所得=譲渡価額 – 必要経費(取得費用+譲渡費用)- 特別控除3,000万円

 

譲渡価格:空き家の売却価格

取得費用:空き家を購入した当時の費用

譲渡費用:空き家の売却で生じる、仲介手数料などの諸経費

【空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例適用要件】
  • 亡くなられた方が1人で暮らしていた家であること

別荘など自宅以外の不動産には適用されません。

 

  • 昭和56年5月31日以前に建築された家であること

上記の日付以前に建築された一戸建てに限り、マンションなどには適用されません。

 

  • 相続から売却までずっと空き家であったこと

空き家であったことを公的に証明するために、被相続人居住用家族等確認書や電気・ガスの閉栓証明書、水道の使用廃止届出書などの書類が求められます。

 

  • 売却する空き家は耐震基準を満たしているか更地である

耐震基準を満たしていない空き家は、売却の際に基準を満たすように修繕するか、更地にして売却するという条件があります。

【適用期間】
  • 特例の適用期限とされる2023年12月31日までの売却であること
  • 相続発生日から3年を経過する日の属する年の12月31日までの売却であること
【その他適用要件】
  • 売却金額が1億円以下であること

売却金額は、家と土地を合わせて1億円以下であることが要件です。また、売却金額には固定資産税の精算額も含めます。数回に分けて売却したり、共有名義の相続のまま売却した際も、その合計金額で判断されます。

 

  • 親子や夫婦など特別な関係がある人への売却でないこと

特別の関係には、このほか生計を一にする親族、家屋を売った後その売った家屋で同居する親族、内縁関係にある人、特殊な関係のある法人なども含まれます。

【特例の適用を受けるには確定申告が必要】

特例の適用を受けるためには、必要書類を添えて確定申告をする必要があります。

確定申告は、譲渡の翌年の2月15日から3月15日の間にしなければならず、 必要な書類が多岐に渡るため、申告前に税理士など専門家に相談をするのがおすすめです。

 

弊社「S plus home(エスプラスホーム)」でも、空き家売却のご相談を承っておりますのでお気軽にご相談ください。

ご相談はコチラ(https://s-plushome.jp/consultation)から

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