目次
相続したアパートの家賃収入は誰のもの?基礎知識を整理
アパートを相続した際、家賃収入が誰のものになるのか・いつから受け取れるのかは、多くの人が最初につまずくポイントです。特に、相続手続きが完了する前でも家賃は発生し続けるため、遺産分割前の扱いを理解しておかないと、後々のトラブルにつながることがあります。この章では、アパートの家賃収入がどの時点から誰のものになるのか、その基本的な仕組みを整理します。
賃料はいつから相続人の収入になる?相続発生〜分配までの流れ
被相続人が亡くなった瞬間(相続開始時)以降の家賃収入は、各相続人が法定相続分に応じてそれぞれ単独で権利を取得することとなります。 そのため、家賃収入は「特定の誰か一人の収入」ではなく、相続人全員が自分の相続分に応じて分割して受け取るべきものです。
一般的な流れは次のとおりです。
- 被相続人の死亡(相続開始)
↓ - 相続開始後に発生する報酬料は、各相続人が相続分に応じて取得する(その後、相続人の間で精算する前提で管理する)
↓ - 遺産分割協議がまとまるまで、家賃は共有状態で保管するのが原則
↓ - 遺産分割でアパートの所有者が決まる
↓ - 決定した相続人が、その後の家賃収入を単独で取得
重要なのは、相続人が確定する前でも家賃は発生し続けるため、適切に管理しておく必要があるということです。実務上は、被相続人名義の口座が凍結されている場合、管理会社に一時的な入金先を指定するなど、柔軟な対応が求められます。
名義変更前でも家賃を受け取れる?実務上の注意点
法律上、相続登記が完了していなくても、相続人は家賃の取得権限を持ちます。しかし、実務では以下の注意点があります。
注意点1:管理会社は「相続関係の確認書類」を求める
管理会社は、誤った相手に賃料を支払うリスクがあるため、
- 戸籍
- 遺産分割協議中である旨
- 相続人代表者の確認
などの書類を求めてくることが一般的です。
注意点2:単独で受け取ると「勝手に家賃を受け取った」と主張される恐れ
名義変更前に個人の判断で家賃を受け取ると、「他の相続人の承諾なしに取得した」とされ、後々もめやすくなります。
注意点3:相続人全員の合意による「仮受取人の指定」が安全
- 一時的に代表者の口座で受け取る
- 家賃は動かさず保管する
- 遺産分割協議成立後に正式に配分する
といった運用がよく採用されます。
遺産分割前に入った家賃は「共有財産」になるのか
結論として、相続開始後から遺産分割までの間に発生した家賃は、各相続人がその相続分に応じて取得する収入(報酬料)として扱われます。相続人のうち特定の1人だけが自由に取得できるものではなく、相続人全員が自分の相続分に応じた取り分を持つというイメージです。
これは、家賃収入がアパートという不動産から収益が上がる法定果実であり、相続開始後に生じた分については、各相続人にその相続分に応じて書き込まれ整理されているためです。実務上は、相続人代表者などの家賃を一度まとめて管理し、その後に相続分に応じて精算運用するが一般的です。
相続人全員に帰属する理由
- 家賃は「不動産から生じる収益(法定果実)」であり、相続開始後に発生した分は、各相続人がその相続分に応じて取得する報酬料と考えられます。
- 遺産分割が終わるまでは、実務上、相続人全員のために代表者が管理し、その後の相続分に応じて精算するのが一般的な扱いです。
分配方法の基本
- 家賃収入のうち、相続開始後〜遺産分割成立までの分は、各相続人が自分の相続分割合に応じて取得することになります。
- 代表者が家賃をまとめて受け取り・管理し、分割遺産協議の結果に沿って、相続分に応じて精算方式することもよく行われます。
- 税務上も、原則として各相続人が自分の相続分に応じて不動産結果として申告する形となります。
トラブルが起こりやすいケース
- 相続人の一人が、他の相続人への説明や悩みなしで家賃を受け取り続け、自分だけの収入として独占していた場合。
- 相続人代表者が家賃を預かっているものの、入出金の記録が十分でなく、どれだけ貯めているのか、いくら配分すべきかが不明な場合。
- 「相続分に応じてどうするか」「いつ、どの時点までの家賃を対象とするか」のようなルールを明確にしないまま時間経過し、後から精算を巡って意見が対立する場合。
遺産分割前の家賃については、「家賃=各相続人の相続分に応じた収入」「代表者が認めても勝手に使わない」「分配ルールと管理状況を可視化する」という3点を徹底することが重要です。
相続後の家賃収入にかかる税金と申告方法
アパートを相続した後、家賃収入は単なるお金の受け取りではなく、税金の対象となる不動産所得です。どの税金がかかるのか、経費として何が認められるのか、そして節税のポイントまで把握しておくことが、後々の税務トラブル回避につながります。この章では、相続後の家賃収入にかかる税金と申告方法を具体的に解説します。
アパートの家賃は「不動産所得」になる?課税の仕組み
相続後の家賃収入は、所得税法上の「不動産所得」に分類されます。
ポイントは以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
| 所得区分 | 不動産所得(個人の所得税対象) |
| 課税対象 | 相続開始以降に発生した家賃収入(死亡日の翌日以降に支払い予定日が来る分など) |
| 申告義務 | 給与所得が主である人の場合、原則として不動産取得などの合計が年間20万円を超えると確定申告が必要 |
| 課税方式 | 総合課税(給与所得等と合算して税率が決まる) |
相続税とは別に、毎年の取得税・住民税の申告が必要です。 遺産分割前であっても、原則として相続開始後の家賃収入は各相続人が自分の相続分に応じて不動産として申告します。
どこまで経費で落ちる?修繕費・管理費・減価償却の扱い
家賃収入から差し引ける経費は、不動産所得の計算において重要です。主な経費は次の通りです。
- 修繕費:建物の維持・修繕にかかる費用(例:屋根や外壁の補修)
- 管理費:管理会社への委託費用や共用部分の維持費
- 減価償却費:建物の価値を年数に応じて費用化
- 固定資産税、都市計画税:賃貸物件にかかる税金も経費計上可能
ポイントは、支出が「アパートの収益を生むために直接必要」なものかどうかです。私的な支出や、相続人個人の生活費・通勤費などは経費として認められません。修繕費か資本的支出かで分けられる場合もありますが、高額な工事などは税理士に確認するのが安全です。
青色申告を使った節税メリットと要件
不動産所得を青色申告で申告すると、最大65万円の控除や損失の繰越が可能です。
主なメリットと条件は以下の通りです。
| メリット | 条件・注意点 |
| 青色申告特別控除 | 最大65万円(一定の要件を満たし、電子申告などを行う場合) |
| 損失の繰越 | 最大3年間、赤字を翌年以降に繰り越せる |
| 家族従業員の給与控除 | 生活を共にする家族への給与も経費計上可能 |
| 要件 | 事前に「青色申告承認申請書」を税務署に提出し、複式簿記による帳簿を正確に作成・保存すること(控除額等の詳細な要件は税務署・税理士に確認) |
相続したアパートの場合でも、青色申告を選択することで税負担を抑えつつ正確な所得管理が可能です。
相続税の申告が必要になるケースとは
相続税は家賃収入にかかるのではなく、アパートを含めた相続財産の評価額(正味の遺産総額)に対して考えられます。
申告が必要になる代表的なケースは以下です。
- 相続財産の合計が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合
- アパートの評価額が高額で、現金以外の資産と合算すると課税対象となる場合
- 借家権割合や土地の路線価によって評価額が変わるため、節税対策が可能な場合もある
ポイントは、取得税と相続税は別途それぞれ計算されるということです。相続開始後の家賃収入は、必要経費を差し引いた相続人の不動産取得として取得税・住民税の対象となり、居住アパート特有の評価額は、他の財産と合算して相続税の金額対象になります。
相続人が複数いる場合の家賃収入の分け方とトラブル回避策
相続人が複数いる場合、アパートの家賃収入や経費の扱いを明確にしておかないと、相続トラブルや税務リスクが発生する可能性があります。ここでは、共有名義や未分割財産の扱い、家賃収入を巡るトラブル回避の実務ポイントを整理します。
共有名義アパートの家賃収入・費用の分配ルール
共有名義となったアパートの家賃収入および経費は、基本的に各相続人の持分割合に応じて分割して割り当てます。
以下は一例です。
| 項目 | 分配方法 |
| 家賃 | 持分割合に応じて按分(例:兄1/2、妹1/2) |
| 管理費・修繕費 | 同じく持分割合で按分 |
| 特別な支出 | 利用者の負担や必要に応じて個別に協議議 |
ポイント:口座管理や入金ルールを明確にして、後日トラブルにならないよう文書化することが重要です。
遺産分割前の「未分割財産」の扱いと注意点
相続直後は、家賃収入が発生しても遺産分割が確定していない「未分割財産」として扱われます。
注意点:
- 相続開始後から遺産分割完了までの間の家賃収入は、法定相続分に応じて各相続人の共有の収入として扱います。
- 各相続人が相続分を適切に管理・分配する必要があり、無断で収入を使用するとトラブルの原因となります。
- 遺産分割協議が成立した後、各人の相続取得割合に応じて精算・配分します。
ポイント:遺産分割協議前の入金もきちんと記録し、分配ルールについて相続人間で事前に合意しておくことが重要です。
家賃を勝手に受け取るとどうなる?よくあるトラブル事例
勝手に家賃を受け取ると、相続人間でのトラブルや民事上の請求問題に発展します。
よくある事例:
- 兄が独断で家賃収入を受け取るケース → 妹など他の相続人から還付請求される
- 遺産分割前に修繕費を支出し、経費の按分で争えないケース
- 管理会社との契約書を変更せず、収入を一人で受領して契約上の責任問題に発展するケース
回避策:家賃収入は遺産分割協議完了まで共有名義の一括管理し、割り当てルールを文書化して共有することが推奨されます。
口座管理・契約手続きで揉めないための実務
複数相続人が関わる場合、以下のポイントでトラブルを防ぎます。
- 家賃収入専用の共有口座を複数相続人で開設・管理する
- 管理会社や入居者へは代表者を選んで連絡を統一する
- 支出関係は領収書・明細を必ず残し、内容も記録する
- 遺産分割協議会で各相続人の取り分を正確に反映・記録する
これらのルールを文書化することで、契約の取り扱いを明確にすることで、家賃に関する争いを防ぐことができます。
アパート経営を続ける?売却する?判断基準とポイント
相続したアパートをそのまま経営するか、売却するかは収益性・管理負担・建物の状態・税務面を総合的に判断する必要があります。このセクションでは、経営継続と売却の判断に必要なポイントを整理します。
相続後もアパート経営を続けるメリット・デメリット
メリット
- 家賃収入が継続して得られる
- 築年数が新しく、利回りが高い場合は収益性が期待できる
- 相続税評価が有利になる場合がある(借家権割合による)
デメリット
- 空室リスクや修繕費負担が発生する
- 管理会社や入居者対応など実務負担が増える
- 築古の場合、事故や特定空家指定のリスクがある
収益性を見極める「利回り・修繕費・空室率」のチェック項目
経営を続ける場合は、定量的に収益性を把握することが重要です。
主な指標:
| 指標 | 確認ポイント |
| 表面利回り | 年間家賃収入 ÷ 取得価格 × 100 |
| 実質利回り | (家賃収入 − 経費) ÷ 取得価格 × 100 |
| 修繕費 | 過去3年の修繕履歴・今後必要な改修予定 |
| 空室率 | 現在の入居状況と地域平均との比較 |
築古アパートを放置するリスク(修繕・事故・特定空家)
放置すると以下のリスクが高まります:
- 老朽化による事故や賠償問題
- 建物の劣化で修繕費が増加
- 相続後に特定空家に指定される可能性がある
- 空室が増えると収益性低下
ポイント:築古の場合は、管理と修繕計画を明確にしてリスクを抑えることが重要です。
売却するべきアパートの特徴とは?
売却を検討する場合、以下の条件が目安になります。
- 修繕費や管理負担が高額になる見込み
- 空室が多く、収益性が低下している
- 相続人間での管理が困難
- 築年数が古く、将来の建て替えコストがかかる
売却の際は、家賃収入を維持したまま売却可能なオーナーチェンジ物件かどうかも確認しましょう。
アパートを相続したらすぐにやるべき手続き
アパートを相続した直後は、法的手続きや管理会社への通知、保険の名義変更など、必要な手続きを漏れなく行うことが重要です。このセクションでは、初動でやるべき具体的な手順を整理します。
相続登記(名義変更)の流れと必要書類
相続登記は、法務局で行う名義変更手続きです。
必要書類は以下の通りです:
- 被相続人の戸籍謄本(出生から死亡までの連続記録)または除籍謄本
- 被相続人の住民票の除票(最後の住所を証明)
- 相続人全員の戸籍謄本
- 遺産分割協議書(相続人が複数の場合、分割内容を証明)
- 固定資産評価証明書(物件の評価額を示す市町村発行の証明書)
- 登記申請書(法務局提出用)
- 相続人全員の証明書(遺産分割協議書の印証明に必要)
ポイント:相続登記は法務局で行う権利移転のための訴訟変更手続きで、これをしないと所有権が正式に移譲されず、売却や訴訟権設定などの重要な手続きができません。 特に相続争い防止のためにも早めの対応が推奨されます。
管理会社へ連絡するときの注意
管理会社に連絡する際は、以下を確認します。
- 賃貸契約の名義変更手続き
- 家賃振込口座の変更
- 修繕・緊急対応の担当者の確認
注意点:連絡を怠ると、家賃の入金遅れや修繕対応のトラブルにつながります。
入居者への通知は必要?法律と実務の違い
法律上:相続自体で賃貸契約は自動継承されます
実務上:入居者に名義変更や連絡先の更新を通知するとトラブル防止になります。通知は書面で残すと安心です。
火災保険・地震保険の名義変更と見直しポイント
- 保険契約者を相続人に変更する
- 保険内容がアパートの現状に適合しているか確認
- 保険料の支払い口座や連絡先を更新
注意点:古い契約のままだと、事故発生時に保険金が下りないリスクがあります。
賃貸借契約の継続と確認すべき内容
✔︎ 家賃や契約期間、更新条件の確認
✔︎ 敷金・礼金の精算方法の確認
✔︎ 契約書に記載された特約条項の把握
ポイント:契約内容を整理しておくことで、入居者とのトラブルを避けられます。
相続したアパートの維持管理と費用負担の注意点
相続したアパートは、税金・空室・老朽化・行政リスクなど、多くの注意点があります。ここでは、各項目を整理して、管理や維持のポイントをわかりやすく解説します。
固定資産税・都市計画税の確認ポイント
| 項目 | 内容 | 注意点 |
| 固定資産税 | 毎年課税される不動産の税金 | 相続後は名義変更を忘れずに |
| 都市計画税 | 市街化区域内の土地・建物に課税 | 減免制度の対象になるか確認 |
| 納税 | 納税通知書は所有者に届く | 滞納すると延滞金が発生 |
解説:税額は物件の評価額に基づき決定されます。相続後は速やかに名義変更を行い、税務署や市役所と連携して正確に納税しましょう。
空室リスクとその対処方法
空室が続くと収益が減少するだけでなく、原状回復費用や管理コストが増加します。
| 対策 | 方法例 |
| 入居促進 | 物件清掃・設備改善・家賃調整 |
| 管理会社活用 | 募集代行・契約管理・入居者対応 |
| 短期需要活用 | サブリースや短期契約プラン導入 |
補足:利回りを維持するため、空室期間は短くすることが重要です。
老朽化による事故・賠償リスクと管理義務
老朽化は賠償や行政指導リスクを高めます。
- 建物の劣化により、入居者や第三者に損害が発生する可能性
- 法的には所有者に修繕義務が課せられる
- 定期点検・修繕計画の作成でリスクを軽減
実務例:屋根や外壁の劣化箇所をリスト化し、修繕時期と費用を記録することで管理がスムーズになります。
相続後に「特定空家」と判断される条件とは?
特定空家に指定されると、行政指導や強制撤去のリスクがあります。
| 条件 | 具体例 | リスク |
| 老朽化 | 倒壊の恐れがある建物 | 特定空家に指定→改善命令→改善しない場合は撤去 |
| 不衛生 | 悪臭や害虫の発生 | 近隣トラブル・罰則 |
| 周辺環境 | 景観破壊や危険な状況 | 行政指導・損害賠償の可能性 |
ポイント:放置せず、定期的に管理・修繕することで、特定空家リスクを回避できます。
アパートを売却する選択肢と方法の比較
相続したアパートを売却する場合、売却方法や物件の状態によって流れや利益が変わります。ここでは、各方法の特徴を整理し、どのケースでどの選択が適しているかを解説します。
家賃収入のあるまま売却できる?オーナーチェンジ物件の仕組み
オーナーチェンジとは、現入居者が住んだままアパートを売却し、家賃収入の権利も購入者に引き継ぐ仕組みです。つまり、入居者との賃貸契約はそのまま残り、賃料は売却後は新しいオーナーに入るようになります。
仕組みのポイント:
| 項目 | 内容 |
| 家賃収入の引き継ぎ | 売却後は購入者が賃料を受け取る。契約はそのまま継続。 |
| 入居者対応 | 契約内容の変更は原則不可。管理会社を通して運営されることが多い。 |
| 契約上の注意点 | 更新料・保証金・礼金の取り扱い、敷金精算方法を確認する必要あり。 |
| 売却のメリット | 空室リスクなし、購入者にとっても安定収益物件として魅力がある。 |
| 売却のデメリット | 契約条件の変更不可、買い手が限定されやすい。 |
ポイント解説:
- 売却前に管理会社や契約書を確認し、入居者の権利や賃料の流れを明確にしておくことが重要です。
- 買主は「家賃収入が安定している物件」として購入するため、売却条件や価格に影響します。
オーナーチェンジ物件の売却についてはこちらでも解説
築古アパートでも売れる理由と評価ポイント
築古アパートは建物自体の価値が下がっていても、売却は可能です。その理由は「土地の価値」と「家賃収入の安定性」にあります。
評価のポイント:
| 項目 | ポイント | 解説 |
| 土地の価値 | 立地条件や路線価 | 駅近・生活利便施設が近いなど、土地自体の評価が高い場合、建物が古くても価格に反映されやすい。 |
| 家賃収入の安定性 | 入居率・契約期間 | 長期入居者がいる、家賃が相場並みで安定している場合、収益物件として魅力がある。 |
| 建物・設備の状態 | 修繕履歴・耐震性 | 老朽化は価格交渉材料になるが、必要最小限の修繕で収益性が保てる場合は購入者がつきやすい。 |
| 将来の活用可能性 | リノベーション・建替え | 将来的に建替えやリノベーションで収益向上の可能性がある場合も買い手にとって魅力的。 |
ポイント解説:
- 築古アパートは建物価値だけでなく、土地と収益性で評価されるため、売却の可能性は十分あります。
- 実際の取引では、建物の老朽化は交渉材料になりますが、土地と収益性の魅力が購入判断の中心になります。
- 買主目線では「安定したキャッシュフロー+土地の価値」が確保されていれば、築古でも購入に踏み切るケースが多いです。
一棟売却と不動産買取の違い
| 売却方法 | 特徴 | 向いているケース |
| 一棟売却(仲介) | 市場価格で売却可能、時間がかかる | 高利回り・条件の良い物件 |
| 不動産買取 | 早期売却、現金化が早いが価格は割安 | 築古物件、相続直後で早く売りたい場合 |
早く売りたい場合に向いている「不動産買取」という選択
- 即日査定や短期間で契約可能
- 契約後すぐに現金化できる
- 築古アパートや収益性が低い物件向け
注意点:買取価格は市場価格より低くなることが多いため、複数業者の査定比較が重要です。
不動産の買取でお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
エスプラスホームへのご相談はこちらから
相続税対策としてのアパートの特徴と注意点
相続税対策としてアパートを活用する場合、物件の評価額や借家権の割合、築年数などが重要なポイントです。適切に評価を理解することで、相続税負担を抑えつつ、将来的な活用も見据えた判断ができます。
アパートが相続税評価で有利になる理由(借家権割合)
アパートは居住用の賃貸物件として借家権が設定されている場合、相続税評価額が時価より低くなる傾向があります。そのため、アパートを相続財産に含めることで、土地や建物の評価額を抑え、相続税の負担軽減につなげられます。
具体的には次のように計算されます:
| 評価項目 | 概要 |
| 自用地評価 | 土地を自由に使える場合の評価 |
| 借家権割合 | 賃貸に供されているため、土地評価額の30〜40%程度減額可能 |
| 建物評価 | 賃貸物件の築年数や耐用年数に応じて減価償却控除が適用される |
相続税評価額の計算方法や節税効果についてはこちらでも解説
築古と新築で評価額がどう変わるか
築年数が古いアパートは、建物の価値が減価償却により低く評価されるため、相続税評価額は新築よりも低くなります。ただし、古すぎる場合は修繕費や事故リスクが増えるため注意が必要です。
| 築年数 | 評価額の特徴 | 注意点 |
| 新築 | 建物価値が高く、評価額も高め | 相続税の負担が増える |
| 築10〜20年 | 減価償却で建物評価が下がり、税負担軽減 | 修繕費が必要になる可能性 |
| 築20年以上 | さらに評価額低下、節税効果が高い | 空室や事故リスクに注意 |
将来の建て替え・活用の方向性を考えるポイント
相続後にアパートをどう活用するかで、税負担や収益性に影響します。
- 建て替えを検討する場合
築古アパートを新築に建て替えると評価額は上がるが、利回り改善や資産価値向上の可能性あり。 - 賃貸経営を継続する場合
築古でも家賃収入が安定していれば、現状維持でも資産運用として有効。 - 売却・現金化を検討する場合
築古物件は評価額が低く、相続税対策としては有利だが、売却価格が下がる点に注意。
空き家になったアパートを放置しないための対策
空き家になったアパートを放置すると、建物の老朽化や固定資産税の増加、近隣トラブルなどのリスクが高まります。相続後すぐに対策を講じることが重要です。
管理の外注・サブリースなどの活用方法
空き家管理を自主管理するのが難しい場合は、専門業者やサブリース会社に委託する方法があります。
| 管理方法 | 特徴 | 利用のメリット |
| 管理会社委託 | 清掃・巡回・修繕対応 | 物件の維持管理負担を軽減 |
| サブリース契約 | 家賃保証付きで貸し出し | 空室リスクを抑え、収入安定化 |
| 個別契約 | 清掃・点検のみ委託 | コストを抑えつつ最低限の管理可能 |
修繕・リノベによる収益改善の可能性
古いアパートは修繕やリノベーションで家賃収入を改善できます。
以下の例があります:
内装リフォーム:入居者満足度向上、家賃アップの可能性
設備更新(キッチン・バス・給湯器など):維持費削減、事故防止
外装・屋根補修:長期的な資産価値維持
※費用対効果を計算し、収益改善が見込める場合に実施するのがポイントです。
売却・活用・管理の3つの方向性で考える
空き家アパートの今後は、以下の3方向から判断できます:
| 方向性 | メリット | デメリット | 適したケース |
| 売却 | 現金化できる、相続税対策になる | 売却価格が築古だと低め | 維持管理が困難な場合 |
| 継続賃貸経営 | 家賃収入を得られる、資産運用になる | 修繕・管理の負担あり | 入居率が安定している場合 |
| 管理委託 | 物件の老朽化・トラブルを防止 | 収益性は限定的 | 自主管理が難しい場合 |
相続したアパートの家賃収入についてよくある質問(FAQ)
相続したアパートに関してよく寄せられる質問と回答をまとめました。税金・家賃収入・手続きなど、具体的な疑問に答えています。
アパートの家賃収入は相続の対象になりますか?
はい、アパートの家賃収入は相続財産の一部です。相続開始後に発生した家賃収入も含めて、原則として相続人全員が法定相続分に応じて共有し、遺産分割の協議で配分方法を決めます。
相続が決まるまでの家賃収入は誰のもの?
遺産分割協議成立前に発生した家賃収入は、原則として各相続人が法定相続分に応じてそれぞれ単独で取得します。 実務上は、分配方法を明確に記録を残すために、共同で家賃を受領・管理することが多いです。
家賃収入は遺産になりますか?
はい、家賃収入は遺産の一部から生じる法定果実にあたります。相続税の計算対象とは異なりますが、分割協議の際には重要な収入となるため、帳簿や入金記録の管理が必要です。
名義変更前に家賃を受け取っても問題ない?
名義変更前でも家賃を受け取ること自体は可能ですが、相続人間で分配方法を合意しておくことが重要です。無断で受け取るとトラブルの原因になります。
死亡後の家賃収入はどう扱う?
相続発生後の家賃収入は、遺産分割や共有名義に応じて分配されます。税務上は相続開始後に得た収入として、不動産所得として申告する必要があります。
アパートを相続した後、売却と運用どちらが得?
判断は物件の状態や収益性によります。利回りが良く、入居者が安定している場合は運用が有利です。老朽化が進み維持費が高額な場合は売却を検討する方が得策です。表やシミュレーションで比較することをおすすめします。


