札幌にある不動産を売却する場合は、一般的な不動産売却の知識に加え、その土地の不動産市場について把握することが大切です。
本記事では不動産の売却方法やコツについて紹介しながら、札幌の不動産売却におすすめの業者を15社紹介します。売却したい不動産にぴったりの不動産会社を見つけましょう。
札幌での不動産売却の基礎情報
札幌での不動産の売却方法
家や建物などの不動産を売却するためには、大きく分けて「仲介」と「買取」のふたつの方法があります。両者の特徴は以下の通りです。
仲介 | 買取 | |
売却価格 | 相場の価格に近い | 相場価格の5~8割 |
売却までにかかる日数 | 3ヶ月~ | 1週間~1か月 |
売却できる可能性 | 確実ではない | 確実ではないが高い |
不動産会社への仲介手数料 | 必要 | 不要 |
売主の責任 | 契約不適合責任を問われることも | なし |
仲介で売却する際は、不動産会社が売主に代わって買主を探します。売主は不動産会社と媒介契約を結び、その後買主と売買契約を結びます。
買取は、不動産会社が買主です。売主は買主である不動産会社に、不動産を買い取ってもらいます。契約は売買契約のみです。
仲介と買取のメリット・デメリットについては、弊社の「【不動産売却】買取と仲介はどっちが得?2つのメリット・デメリットを徹底解説」からご確認ください。
札幌での不動産売却の流れ
札幌で不動産を仲介によって売却するためには、以下の7つのステップがあります。
- 売却準備
- 価格査定依頼(訪問査定)
- 不動産会社の選定
- 不動産と媒介契約を締結
- 不動産会社による販売活動
- 買主との価格・条件等の交渉
- 売買契約の締結
- 決済・引き渡し
仲介による売却での詳しい流れや注意点は、弊社の「不動産売却は7つの注意点を抑えれば大丈夫!ステップ毎にわかりやすく解説」からご確認ください。
一方で、買取による売却は以下の5つのステップです。
- 売却準備
- 価格査定依頼(訪問査定)
- 不動産会社の選定
- 売買契約の締結
- 決済・引き渡し
仲介も買取も、どちらも売却準備を行う必要があります。売却準備には、必要書類の用意や、相場価格の把握、机上査定などが含まれます。
札幌での不動産売却の費用
仲介で不動産を売却すると、主に以下の費用が発生します。
- 仲介手数料
- 印紙代
- 抵当権抹消登記費用・ローン一括返済手数料(住宅ローンの支払いが完済していない場合のみ)
- 譲渡所得税
- 消費税
- その他
不動産の傷みが激しい場合は、リフォームやクリーニング、シロアリ対策などにかかる費用が発生することもあります。不動産の土地の境界線が不明瞭な場合は、敷地測量費や耐震診断費用もかかることを覚えておきましょう。
不動産売却にかかる費用を詳しく知りたい場合は、弊社の「不動産売却に必要な7つの費用と節約のコツを徹底解説!」をご覧ください。
不動産を買取で売却した場合、費用として主に5つが挙げられます。
- 印紙代
- 譲渡所得税
- 消費税
- 抵当権抹消登記費用・ローン一括返済手数料(住宅ローンの支払いが完済していない場合のみ)
- その他
登記手続きなどで司法書士などの専門家に依頼する場合は、その費用も発生します。不動産を売却すると、出費も必ずあることにご注意ください。
札幌の不動産市場の現状
札幌の不動産価格の推移
令和5年(2023年)9月の地価調査制度によって発表された「地価調査概要(札幌市地価動向)」では、札幌の地価は上昇しており、不動産価格も上がっています。
この調査は国土利用計画施行令第9条に基づき実施され、都道府県は毎年7月1日時点の標準価格を判定するものです。札幌市内は129地点が調査対象となりました。地価は前年度と比べ住宅地は12.5%、商業地は11.9%、全用途の土地では12.3%上昇していることが調査から明らかになっています。下の図の右端は2023年度です。2014年(平成26年)からは上昇し続けています。
(グラフは地価調査概要(札幌市地価動向)」6ページより引用)
国土交通省が発表した「令和6年度第3四半期地価LOOK」では地価動向に対し、人口と世帯数、そしてインバウンド客が増加傾向となっていることから、住宅需要が堅調、高額な価格が維持されていると述べています。
インバウンドによって観光都市である札幌の地価が上昇していることに加え、札幌市が「金融・資産運用特区」に選出されたことも、不動産価値を高める要素であると考えられています。
不動産市場の需要と供給のバランス
不動産を買いたい人が多い一方、市場に出ている不動産の数が少ない場合、需要が供給を上回り価格が上昇します。
反対に、不動産を買いたい人が少なく、市場に出ている不動産の数が多い場合は供給が需要を上回り、価格は低下します。
景気が良くなると、価格が高くなっても不動産を買いたい人が増えるため、さらに価格が上昇するとされます。
景気以外に影響を与える要因は、不動産の価格は経済の動向と金利や、地域の経済や開発状況などです。
不動産市場の見極め方については、弊社の「不動産の売り時を見極める!相場と季節のタイミングとは?」をご覧ください。
国土交通省による「令和6年第3四半期地価LOOKレポート」では、現在は商業地の開発や国内外からの観光客の増加、オフィス需要などもあり、不動産価格は主要都市において上昇し続けています。店舗やホテル需要の増加は堅調です。
住宅地については、利便性などの住みやすさからマンション需要が増えているという特徴があります。
札幌の不動産業者の選び方
札幌で信頼できる業者を見つける方法
信頼できる不動産業者を選ぶポイントとして、以下の点が挙げられます。
- 口コミが良い
- 違反した履歴がない
- スタッフ全員の対応が丁寧
- 不動産の相場価格を把握している
- 宅地建物取引業者免許証を更新している
国土交通省は建設産業・不動産業の情報をまとめた「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」を提供しています。このサイトで宅地建物取引業者免許証の更新回数や免許番号を調べることが可能です。
国土交通省は「ネガティブ情報等検索サイト」を提供し、過去に行政処分歴等を持つ事業者情報を公開しています。不動産業者の信頼性を確かめる際に便利です。
失敗しない不動産買取業者の選び方は「おすすめの不動産買取業者9選!失敗しない業者の選び方とコツを紹介」で詳しく紹介しています。
地元密着型業者の利点
地元密着型の不動産業者の利点は、地域に詳しく、独自のネットワークを持っていることです。
地元に特化したつながりや知識により、売却率が高くなる可能性があります。
札幌にある地元密着型不動産業者は、たとえば札幌に店舗を構え、地元の不動産に詳しく、さまざまな企業ともつながりを持つ不動産業者を指します。地元密着型業者に対し、全国的に店舗を構え、幅広い知識を持っている大手不動産業者もあります。
地元密着型と大手の不動産業者にはメリット・デメリットの両方があります。
メリット | デメリット | |
大手不動産業者 | アクセスが良い場所にある | 地域に詳しくないことも |
広い範囲の多くの人に物件を見てもらえる | 売却までに時間がかかることも | |
中小不動産会社 | 地域のことに詳しい | 売却したい家の地域で探す必要がある |
独自のネットワークを持っている | 売却したい家をアピールできる範囲が絞られる |
弊社の記事「【家の売却】家を売る時の注意点を徹底解説!損しないために知っておきたいこと」にて、大手企業と中小企業の違いについて詳しく説明しております。
札幌にあるおすすめの不動産業者一覧
ここでは札幌にある大手不動産業者を6つ、中小不動産業者を9つ、計15つ紹介します。
- 東急リバブル札幌センター
- センチュリー21
- スター・マイカ株式会社
- ハウスドゥ
- 株式会社リンクル不動産販売
- 三井のリハウス
- 株式会社テイクホームコーポレーション
- 札翔住販株式会社
- スリーフィールド株式会社
- 株式会社ライトニング
- 株式会社CREST
- 札幌オーナーズ株式会社
- 株式会社イースト
- 株式会社寿不動産
- エスプラスホーム
大手の不動産業者でも地元に詳しかったり、中小不動産業者でも幅広いネットワークを持っていたりと、不動産業者ごとに特徴があります。
売りたい不動産の種類や、売り方に合った不動産業者を選びましょう。
東急リバブル:超大手不動産会社の札幌店舗
大手不動産業者である東急リバブルが運営する札幌センターは、札幌ノースプラザにあります。売買の対象として、戸建・マンション・土地・収益不動産など幅広く取り扱っている点が特徴です。
東急リバブルは2023年度売買仲介取引高が2兆円、取扱件数は3万件を超えています。売買仲介ネットワークは2024年10月で223店舗です。個人に向けた不動産売買だけではなく、法人に向けた売買も取り扱っています。
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センチュリー21:札幌に加盟店が複数あり
センチュリー21に加盟する店舗が、札幌には19店舗あります。
センチュリー21は大手企業ですが、それぞれの店舗は地元密着型の店舗といえるため、大手の良さを生かしつつ、地元密着型の良さも活かせる点が特徴といえます。
センチュリー21は「地元に強い、不動産ネットワーク」であり、2022年7月時点では全国1位の不動産仲介フランチャイズの店舗数です。
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スター・マイカ株式会社:中古マンション買取に強い
スター・マイカ・ホールディングス株式会社のグループであるスター・マイカは、札幌に支店があります。中古マンションの買取に強みを持っており、2020年7月に発表された「買取再販年間戸数ランキング2020」で、マンション買取戸数がトップの不動産業者です。
2023年11月時点で販売実績は11,781戸、買取実績15,720戸であり、マンションの買取に関して実績のある不動産業者といえます。
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ハウスドゥ:全国&海外店舗もある大手不動産
ハウスドゥは2024年12月時点で国内に714店舗、海外に7店舗を展開する大手不動産業者です。札幌市には、売買仲介をメインとする「売買ショップ」であるハウスドゥ!札幌大通店やハウスドゥ平岸、不動産の買取サービスをメインとした「家・不動産買取専門店」である家・不動産買取専門店白石店があります。
大手の不動産業者ですが、店舗は地元密着型の不動産業者です。地元に詳しく、札幌市の地域事情に詳しいという特徴があります。
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株式会社リンクル不動産販売:任意売却や競売にも対応
株式会社リンクル不動産販売はLCグループの不動産事業部のひとつで、札幌市中央区にあります。
買取や仲介のほか、不動産競売や任意売却も扱っています。そのほかの事業内容は貸ビル事業やマンション分譲事業、レジャー・飲食事業などです。
大手の不動産業者ですが、強みは札幌市内や札幌近郊エリア、函館エリアに詳しい点です。主要取引先や主要取引銀行も多くあり、信頼できる不動産業者といえます。
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三井のリハウス:圧倒的顧客満足度の大手不動産
三井のリハウスは2023年度の全国売買仲介取引件数が約4万件、年間相談組数は32万組以上、顧客満足度が97%である三井不動産リアルティグループのひとつです。
三井のリハウス札幌センターは札幌市中央区をメインに、札幌市全域に対応しています。定期的に税務相談会も行っているため、不動産売却時に発生する税金の問題を解決したい人におすすめです。
三井のリハウスは札幌センターのほかに、札幌駅北口センターや札幌東センターなど、札幌市内に複数の店舗を展開しています。
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株式会社テイクホームコーポレーション:住宅からマンション・土地まで
札幌市や札幌市近郊にある中古住宅・中古マンション・土地などを売買を行っています。あらゆる不動産についての説明に対応できる点が特徴です。買取や任意売却も対応しています。
株式会社テイクホームコーポレーションは札幌市厚別区にあり、最寄り駅から徒歩1分とアクセスの良い場所にあります。落ち着いた店内でゆっくり相談したい人におすすめできる不動産業者です。
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札翔住販株式会社:不動産の買取に特化!
札翔住販株式会社は、不動産の買取だけを扱う「不動産買取のラクール」を運営しています。札幌市と札幌市近郊の不動産買取に強みを持つ不動産業者です。
仲介での売却ではなく、買取を希望する場合は、ラクールのような買取に特化した不動産業者を検討しましょう。再販はほかの不動産へ依頼し買取のみを扱うことで、それにより高額買取を可能にしている点が特徴といえます。
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スリーフィールド株式会社:空き家や相続問題も相談できる
札幌市東区にあり、札幌市および近郊の不動産売却・買取・任意売却を扱う不動産業者です。マンション・戸建・土地売却を行っており、空き家問題や相続問題にも対応できる点が特徴といえます。
地元事情に詳しいスタッフが行う不動産の査定に強みを持ち、不動産の場所によっては査定依頼から1~2時間後に査定が可能です。スピーディな対応と地元への詳しさが特徴として挙げられます。
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株式会社ライトニング:即時買取できる!実績豊富な不動産会社
札幌不動産の買取実績が多く、仲介で不動産を売るのではなく、素早く不動産を現金化することに特化した不動産業者です。収益物件や土地、戸建、マンションの即時買取をセールスポイントとしています。
株式会社ライトニングは守秘義務を徹底しているため、不動産の売却を人に知られたくない、販売価格を知られたくないなど、複雑な事情のある場合はおすすめできる不動産業者です。
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株式会社CREST:遠方からオンライン相談できる
札幌市のほかに、江別市・北広島市に対応しており、オンライン相談を行っている不動産業者が株式会社CRESTです。オンライン相談によって、不動産が遠方にある、または不便な場所にある場合も対応できます。
株式会社CRESTの強みは、離婚や相続といった複雑な問題に対しても司法書士や税理士、弁護士などの専門家と連携し、解決する方法を提案できる点です。
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札幌オーナーズ株式会社:買取以外の選択肢も欲しいなら
アパートやマンション、駐車場などの管理代行業務のほか、リノベーションなどさまざまな事業を行っている不動産業者です。戸建やマンションといった不動産は、仲介や買取、売却以外の提案も行っています。
「管理物件を通じて、札幌に暮らす人々を幸せにする」を大切にしており、住み替えの場合は下取り保証をつけスムーズな住み替えをサポートするなど、売主に寄り添った姿勢が特徴です。
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株式会社イースト:事前のリーガルチェックがすごい
不動産売買や仲介、買取のほか、管理やコンサルティングも行う不動産業者です。株式会社イーストの強みは、ほぼすべての取引に対し、事前に契約書の問題や法律に違反していないかを検証するリーガルチェックを行う点にあります。
公益社団法人全日本不動産協会・公益社団法人不動産保証協会・既存住宅かし保険・不動産公正取引協議会にも加盟・登録しており、売主への安心感を重視している点も特徴的です。
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株式会社寿不動産:戸建からマンションまで幅広く対応
土地・戸建・マンション・アパートといった不動産の売買と買取を行う不動産業者です。新築やリフォーム、賃貸管理など、不動産に関わる幅広い事業に対応しています。
不動産情報や不動産の相場価格などを提供する不動産売却・買取専門サイトイクラ不動産で、株式会社寿不動産は「北海道札幌市で早く売るのが得意な地元の不動産屋さんランキング」で1位を取得しています(2025年1月現在)。
エスプラスホーム:札幌出身スタッフが勢揃い!地域密着で買取実績も豊富
最後に、不動産買取を行なっている弊社の紹介もさせてください。
弊社エスプラスホームは、札幌を中心に地域密着型のサービスを提供する不動産会社です。お客様一人ひとりのニーズに寄り添った不動産の提案を得意としており、不動産売買が初めての方にもわかりやすく丁寧に説明することを心がけています。
札幌出身や北海道出身のスタッフが数多く在籍しているため、地元の最新情報や物件の魅力も把握しています!
住まいや不動産に関するお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
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札幌の不動産売買に関するよくある質問
札幌で大手の不動産会社はどこですか?
札幌市にある大手の不動産会社は、全国展開している東急リバブルやセンチュリー21、スター・マイカなどがあります。
- 東急リバブル
- センチュリー21
- スター・マイカ株式会社
- ハウスドゥ
- LCグループ
- 三井のリハウス
ただし、大手不動産は安心できる実績があり便利な反面で、地域特有の情報や動向を把握しきれていない可能性もあります。
以下の表を見ながら、どのような不動産を選べば良いか考えてみましょう。
メリット | デメリット | |
大手不動産業者 | アクセスが良い場所にある | 地域に詳しくないことも |
広い範囲の多くの人に物件を見てもらえる | 売却までに時間がかかることも | |
中小不動産会社 | 地域のことに詳しい | 売却したい家の地域で探す必要がある |
独自のネットワークを持っている | 売却したい家をアピールできる範囲が絞られる |
札幌で査定をしてくれる不動産会社は?
「札幌にあるおすすめの不動産業者一覧」で紹介した不動産会社は、無料で机上(簡易)査定・訪問査定を行っています。
机上査定は各不動産会社の公式ホームページに記載されているため、不動産の情報を自分で入力し、査定結果を出しましょう。訪問査定は電話・メール・問い合わせフォームから連絡する方法が一般的です。
まとめ
札幌で不動産を売却する場合は、まず初めに売却のための準備をすることが必要です。
必要書類を集めたり、机上査定で相場価格を把握したりしましょう。
不動産業者を選ぶ際はポイントを抑えることで、信頼できる業者を見つけることができます。
不動産売却をする機会は決して多くはありませんが、大きな金額を扱うタイミングです。失敗しないように準備や情報収集を怠らずに行いましょう。